27話

六日目、今日は学校が休みの為、夏海と一緒にカフェに入り勉強することにした。


二人でテーブル席に着くと飲み物を注文して、まずは一息つく。


「今日もあっついねぇ!」


夏海が両手で顔をパタパタとさせる。


「そうだねぇ」


私も少し汗をかいた為、ハンカチで拭く。


「あ、見て見て!美味しそうじゃない!?」


夏海が、見ていたメニューを私に見せる。


そこには数々のケーキが写っており、どれも本当に美味しそうだった。


私はケーキを注文することに決め、メニューを見るのだけど、ショートケーキとチョコケーキのどちらにするか決めきれないでいた。


そんな私を見て夏海が提案する。


「あ、そうだ!二人で一個ずつ注文して、食べ比べしようよ!」


「それ、いいね!そうしよ!」


私はその提案の受けて、ショートケーキを、夏海がチョコケーキを注文した。


ケーキがテーブルに置かれ、店員の人にお礼を言うとさっそく一口食べる。


はぁぁぁ…。


しあわせぇ…。


私はあまりの美味しさにうっとりしていた。


「かずっちってほんとケーキ大好きだよねぇ!かわいいなぁ」


そんな私を見て夏海が微笑んでいた。


そして、夏海も一口食べるとニコニコしている。


お互い一口食べたので、ケーキを交換しようとした時、夏海に止められた。


どうしたんだろう、と思っていると夏海がお願いしてくる。


「ねぇ…かずっち…。食べさせて…」


「えぇ!?でも恥ずかしいよぉ…それに…」


私は店内を見渡すと他のお客さんもいるため視線が気になる。


「大丈夫だって!みんな気にしないよ!」


「で、でもぉ…」


「これが今日のリクエストってことで!ね?このあとちゃんと勉強するから!」


「うん…。わかった…」


私はしぶしぶ了承し、夏海にショートケーキを一口食べさせる。


「んー!こっちもおいしいねぇ!」


「うぅ…恥ずかしい…」


「気にしすぎだよぉ!はい、私の方をどうぞ!」


夏海がチョコケーキを一口食べさせようとフォークを近づける。


私は恥ずかしがりながらも、ケーキの魅力に抗えず、食べた。


こっちもおいしいなぁ…。


そう考えていると、夏海がなんだか照れていることに気づいた。


「夏海…?」


「えへへ…また間接キス…しちゃったね…」


そう言われ気づく。


恥ずかしさばかりに気をとられ、フォークを交換していなかったことに。


以前もデパートで一個のアイスを食べたけど、あの時は周りにゆえちゃんだけだったけど、今は多くのお客さんがいたためか、さらに恥ずかしかった。


なんとか、落ち着くとケーキを食べ、勉強をさせることにした。


そうして、夕方になり勉強を終わらせることにして、カフェから出る。


二人で歩いていると、夏海が買いたいものがあるらしく、途中で解散となった。


一緒にいこっか?と言ったけど、断られちゃった。



こうして、六日目が終わり、明日はテスト前日。


ラストスパート!頑張らないと!

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