26話

二日目の放課後、夏海との勉強が終わる時間が近づいてくる。


今日も夏海すごい集中していたなぁ…。


ご褒美どうしよ…。


私がそう考えていると、時間になり勉強を終わらせた。


「夏海!今日もおつかれさま!」


「かずっちおつかれさまぁ!」


夏海がそう言い終えると、ご褒美を期待している様ですごくワクワクしている。


うぅ…。


今日はこれしか思いつかないよぉ…。


一つのご褒美を思いつき、夏海へと近づく。


私は緊張しながらも夏海へと近づき、腰へと腕を回し抱きしめる。


夏海から抱きしめられることはあっても、私からはなかった為、すごくドキドキして震えていた。


そんな、夏海も初めてのことでびっくりした様子だったけど、私が震えていることに気づくと抱きしめ返して優しく言う。


「かずっち。頑張ってくれてありがと」


「ううん。頑張ってるのは夏海だよ」


しばらく、二人で抱き合い、そして離れる。


それからは、二人で会話しながら帰り、二日目が終わる。



そして、三日目。


私は、早くも奥の手を出すことにした。


いつ通り勉強が終わると夏海に近づく。


そして、緊張しながら夏海の前髪をそっと上げると、おでこにキスをする。


すると、夏海が照れながら言う。


「えへへ…かずっちにキス…されちゃった…」


「ち、ちがうよ!おでこにだから!おでこを付けて言って!」


そんな夏海に私は照れ隠しで言った。


「えー!細かいこと気にしないのー!」


「細かくない!」


こうして、三日目が終わった。



四日目。


私はさらに奥の手を出す。


というより、三日目にすでに決めてあったんだけどね。


私は夏海の頬に唇を近づけキスをする。


おでこ以上に緊張していた私に夏海が言う。


「またキス…されちゃった…」


そう言い昨日と同じように照れる夏海。


「だから違うよー!」


私は照れ隠しで怒った。


「冗談だからそんな怒らないでよー!」


「もー!」


こんなやり取りをして四日目も終わる。



そして、問題の五日目がくる。


ついに私は万策尽きる。


考えてもなにも思いつかず、素直に夏海に言うことにした。


「ね、ねぇ…夏海…」


ん?なになに!と嬉しそうに聞く夏海。


「あ、あのね…実は…」


「え?ど、どうしたの!?」


私が言いにくそうにしているのに気づき夏海が心配そうにする。


そんな夏海にこれ以上心配させない為に言う。


「ご褒美…なにも思いつかなかった…ごめん…」


それを聞き、夏海が安心すると言った。


「なーんだ!そんなことかぁ!気にしないでいいのにー!私はてっきりかずっちの身になにかあったのかと思ったよー!」


「で、でも…夏海…ご褒美楽しみにして毎日頑張ってたのに…」


すごく申し訳なく思い、落ち込んでいた。


「ううん。そんなかずっちの優しさが私へのご褒美だよ。いつもありがとう」


そんな私を優しく抱きしめ言った。


それでも、何か出来ないかと話すと夏海が言う。


「んーそれじゃあ…これからは私がリクエストしていい?」


私は深く考えず、いいよ!と返事をすると夏海が大喜びしていた。


あ…これは…まずい…と思ったけどすでに遅く、さっそく夏海のリクエストが始まる。


「私…かずっちにしてほしいことがあって…」


私は何を言われるんだろうと緊張していると夏海が言う。


「あのね…首に…キス…してくれないかな…」


私じゃ思いつかないことをリクエストされた。


「え?えええぇぇぇ!?」


おでこや頬にするだけでもかなり緊張したのに…く、首に…。


私が動揺していると夏海が言う。


「だめ…かな…」


しょんぼりしてる夏海に私はい、いいよと返事をする。


「ほんと!?わーい!」


喜ぶ夏海がさっそく準備を始める。


制服のリボンを外し、ワイシャツの第一ボタンを開け、ワイシャツをめくり首筋を私に向ける。


そんな夏海の姿を見て私は見惚れていた。


夏海…綺麗だなぁ…。


そう考えると、私はドキドキしながらも、吸い寄せられる様に首筋へと唇を近づける。


夏海も緊張しているようで震えていた。


私の唇が夏海の首筋につくと夏海が、んっ…と声を漏らす。


その声に私はさらにドキドキしながら唇を離した。


「く、くすぐったいねぇ。でも…なんだか気持ちよかったなぁ…」


夏海が頬を赤く染めながら言う。


そんな夏海がすごくかわいく思えた。


「さ、さて!それじゃあ帰ろっか!」


私が照れ隠しでそう言うと夏海もそ、そうだね!と言い、下校することにした。


こうして、五日目が終わり、残すところあと二日。


休日が始まる。

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