18話

恐怖の休憩を終えるとまたみんなで遊ぶことになった。


朝日達がまだウォータースライダーで遊んでいないのでまずはそこから行くことに。


私と先輩はすでに何回も滑ったので下で待つことにした。


真白さんも、私はいいです…本当に無理です…と震えていたので待機組に。


滑るのは朝日と漆原さんになる。


スタート地点が二ヶ所あるので二人がそれぞれ別々に滑ってくるみたい。


ほぼ同時に滑り終わると、楽しかったー!とバンザイしていたのだけど、私は違和感に気づきすぐに目を反らした。



違和感の正体はそう…。


二人共、水着の紐がほどけ脱げて流されていた…。


まさかのお約束を二人同時にしていたのだった。


それに気づき漆原さんが、きゃあっ!と叫び両手で胸を隠す。


そして、かずっちのえっちー!となぜか私だけ怒られた。


一方、朝日はというと、もっと見ていいよー!と私の方に近づいてくる。


「あ、朝日!なにしてるの!み、水着!水着脱げてるよ!」


「えー?だってもうかずきに裸見られたことあるしー!」


そういう問題じゃないよ…。


そして、なぜか先輩と真白さんに、やっぱりえっちね。です…。と私が責められた。


理不尽すぎて泣けてきたよぉ…。


なんとか二人共水着を見つけると、次は流れるプールへと向かった。


流れるプールに着くと、泳げるようになった真白さんが嬉しそうにバタ足で泳ぐ。


だけど、流れるプールの速度も合わさり遠くまで行きすぎて、私達とかなり離れていた。


流れに逆らって、戻ろうとするけど戻れず、上がるにも上がれずにいる真白さんが、王子様ぁ…と泣きそうになっている。


私が急いで助けに向かうと、真白さんが怖かったです…と私に抱きつく。


私はよしよし、と頭を撫でてあげ一緒に上がると、やっぱり私の王子様は素敵です、と言われ少し照れた。


その後はみんなで普通のプールに行き、ビーチボールで遊んだりして楽しんだ。



時刻が大体6時くらいになった頃、そろそろ温泉の方に向かいましょうか!と先輩が言った。


私達も、そうしましょう!と言い先輩に案内してもらい、到着すると説明をしてくれる。


「ここは数々のお風呂が楽しめるのよ!露天風呂にジャグジー、足湯に砂風呂など、あとはいろいろな効能がある温泉もあるわ!」


「私こういうところ初めて来たんですが、水着で入ってもいいんですか?」


気になったので質問してみる。


「ええ、そうよ!ただ今は貸切だからあなたが望むなら裸でも…」


いえ、大丈夫です!と食いぎみに言い、お風呂を楽しむことにする。


なぜか他の四人が残念そうにしていたけど、私はなにも見なかったことにした。


みんなでいろいろなお風呂を体験する。


どれも気持ち良かったけど、特に砂風呂が少しくすぐったかったけど慣れてくると、ポカポカしてきて気持ちよかった。


そして、最後に露天風呂へと向かう。


お湯に浸かりみんなで今日の感想を言い合った。


「今日はすごい楽しかったねー!先輩に感謝ですよー!」


「うんうん!楽しかった!楓先輩ほんとにありがとうございます!」


「先輩…すごく楽しかったです…!ありがとうございました…!」


そして、私も先輩にお礼を言うと先輩が言った。


「楽しんでもらえてなによりよ。それにわたくしも…友人と遊ぶことなんてなかったから、ほんとに楽しかったわ!」


そう言う先輩は本当に楽しそうにしている。


やっぱりお嬢様ということで、みんな憧れはあっても遊びに誘いにくかったのかなと、思い先輩に言う。


「先輩また遊びましょう!今度は普通の場所とかにも!」


三人も同じ考えだったようで、またみんなで遊びましょう!と言っていた。


「あなたたち…ありがとう…!みんなほんといい子達ね」


そう言い泣きそうになっている先輩に、もー!先輩大げさですよー!と朝日が言い、みんなで笑い合っていた。




…うん。ここで終われば感動的だったんだけどね…。


この後が大変だったの…。


突然、朝日が先輩に言う。


「それにしても先輩ってほんと胸大きいですよねー!羨ましいです!」


「たしかにね!いいなぁ!」


漆原さんも先輩に言った。


いやいや二人もなかなかあるけどね…。


「羨ましいです…!」


うんうん!真白さん!その気持ちわかるよ!


「先輩…ちょっと触ってみてもいいですか?」


漆原さんが言った。


えぇいいわよ!と先輩が言い漆原さんが触る。


先輩がくすぐったそうにしている。


「わー!すごい!柔らかーい!」


その感想を聞き、朝日と真白さんも触らせてもらう。


やっぱり先輩がくすぐったそうにしている。


「ほんとだ!すごいね!」


「すごいです…!」


二人が感想を言うと、朝日が私に言う。


「ほらほら!かずきも、もう一度触らせてもらいなよー!」


「えっ!?わ、私はいいよぉ…」


恥ずかしさから断ったのだけど、結局触る流れになる。


「それじゃあ、触りますね…」


「えぇ…優しくしてね…」


先輩が顔を赤らめながら言う。


先輩その言い方はやめてくださいよぉ…。緊張しちゃいますからぁ…。


覚悟を決め触らせてもらうと、先輩が身体をビクンとさせ、んっ…と声をもらす。


なんで私の時だけ…。


他の人の時はそんな反応じゃなかったのに…。


「ご、ごめんなさい…。あなたの触り方が…その…。気持ちよくて…つい…」


先輩が恥ずかしそうにしている。


いやいや!普通に触っただけですよ!?


先輩の反応に私まで顔が赤くなり、頭がぼーっとしてくる。


他の三人が、いいなぁ…私も触ってほしいなぁ…と、言っていたが反応できずにいた。


今はそれどころじゃないよ…。


私は触るのを止め、このままだとのぼせそうなので、先に上がらせてもらい涼むことにした。


先輩が、もう止めちゃうの…と、残念そうに言っていたけど、聞かなかったことにする。


そして、涼んでる最中、先輩の反応を思い出しては、また顔が赤くなる、を繰り返しをしていた。




その後ディナーまでご馳走になり、帰りのリムジンの中で私は改めて先輩にお礼を伝えることにした。


他の三人は疲れてしまい寝ている。


「先輩!今日は本当にありがとうございました!すっごく楽しかったです!」


「そんなに何度もお礼を言わなくてもいいのに…」


「いえ、改めて伝えたかったので!」


「でも…そうね。わたくしもあなたに伝えたいことがあったの」


私に伝えたいこと…ですか?と質問すると先輩が答える。


「ええ…。あなたに告白してよかったなと…まぁ、フラれてしまったけれど…」


そこで、私は心がズキっと傷み、落ち込む。


そんな私を見て先輩が慌てて言う。


「あ、別に責めようとしてる訳じゃないのよ!あなたには本当に感謝してるの。あなたが生徒会に入ってくれて…。あなたを好きにならせてくれて…。告白してフラれたことで、この子達と仲良くなれて…。本当にありがとうね」


いえ…そんな…と困っていた私に先輩が続けて言う。


「でも、前にも言った通り、あなたのことまだ諦めてないわよ!絶対にあなたをわたくしの生涯のパートナーにさせてみせるんだから!」


先輩が改めて宣言すると、私を抱きしめて、頬にキスをし、笑顔で言う。


「あなたを愛してるわ」


改めて言われ、照れる私と、照れちゃってかわいいと笑う先輩。


もーやめてくださいよぉ!と笑う私に、追い打ちをかけ笑っている先輩。


こうしてしばらくお互い笑い合いながらいた。


気持ちに応えることも、完全に拒絶することもできない、私でごめんなさいと思いながら…。



そして、みんな家まで送ってもらうと、楽しかった日曜日はここで本当に終わり、明日からまた学校が始まるのであった。

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