計画

目の前にいる彼女は少し顔を赤らめるふりをしながら口を開いた。

「よろしくお願いします。」

僕はその言葉を聞いて確信した。

計画は成功したと。

僕は昨日、目の前にいる彼女に告白した。

そして、返事は明日聞くから。

そういって、彼女を残して先に教室に戻った…ふりをした。

その後、わざと、彼女の姉が見えるところまでいき、彼女の姉をみてる姿を彼女に見せた。

それを彼女に見せた。

そう、全ては計画通りだ。

彼女はその姿を見て、俺と付き合うと言った。

彼女は隠すつもりだろうがそれを俺は知っている。

それも計画通りだ。

彼女が俺の好きな人が彼女の姉だと思うことも。

姉が自分のことを好きだと彼女に勘違いさせることも。

そして、彼女の姉が妹の物を奪う癖があることも。

きっとこれから近づいてくるだろうということも。

全て計画通りだ。

俺は彼女を自分のものにしたいと思った。

だけど、普通に告白したら振られることくらい知っていた。

彼女は恐れているから。

誰かを好きになることも。

信じることも。

それを奪われることも。

だから、いつも彼女は一人だった。

学校でも家でも。

居場所がなかった。

彼女の姉は容姿も目につくことが、それ以上に頭が切れ、運動もできる。

そのせいか、彼女自身も運動も勉強もそれなりにできるはずなのに、姉より劣っているあまりに、親からも見捨てられている。

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