信じてる

香崎 莉愛

黒い感情

「君のことは好きだよ?でもね、それは友達としてなんだ。」

私は、いつものように気持ちを偽って君の告白を断るつもりだった。

でも、私は知ってしまった。

君の目線の先にいるのが私じゃないこと。

そこにいたのは私の姉だということ。

なぜ、君が私の姉を好きなのに、私に告白してきたのかはわからない。

多分、姉に近づくためとかだろう。

でも、君の目的なんて私には関係ない。

だって、姉の目線の先にも君がいたから。

姉は私からたくさんのものを奪った。

好きな人も彼氏も親友も、…家族もすべて。だから、今度は私の番。

「よろしくお願いします。」

私は胸の中の黒い感情に蓋をして今日も自分の気持ちを偽る。

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