第23話 最高に幸せな僕達だけのハッピーエンド

 将来、クローンは増えることでおそらく人間は滅ぶ。死が無いクローンたちは、永遠の未来と絶望を手にするだろう。死にたくても、死ねない。満足な人生を送ったって、終わりがない。きっと自殺者はどんどん増えていき、クローンだって滅んでいく。

 それでも、いいじゃないか。未来のことは全部未来の人に任せて、僕は今だけを生きていけばいいじゃないか。今、幸せならそれでいいじゃないか。

 僕はそんな甘い生活を今は送りたい。それが、僕に生まれた願いだった。

 だから、君にこう尋ねよう。


「心愛、僕のために死んでくれないか?」

「もちろん。将来的にはきっと!」


 心愛は嬉しそうに笑う。彼女の心はこれで本当に救われているのかはわからないし、本当にこれでよかったのかもわからない。

 心愛の寿命が尽きて、死んで、記憶だけがクローンとなって残って。本当にそれは心愛なんだろうか?

 僕は何をもって心愛だと思っているんだろう。月日が経つにつれて変わっていく人間なんて、確かなものじゃ無くて。


 別に人間が滅んで、そこに紛い物の愛だけが残った物語だっていいだろ?

 昔みんなが夢見た「永遠の愛」ってきっとこういうことだ。







読んでくれてありがとうございました😊

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次回作にも乞うご期待!ぐらにゅー島って名前だけでも覚えていってください✨

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2年ぶりに元カノから電話が来た。「今、貴方の葬式にいるの」と。 ぐらにゅー島 @guranyu-to-

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