第18話 タコパをするわよ!

「魚住…タコパをするわよ!!」

と、とある帰り道に私は真剣に魚住に行った。


「はい!?タコパ!?頭おかしくなったのか?お嬢様!?」

案の定、今日も失礼極まりないこのクソ執事!


「頭は正常よ!タコパと言えば、庶民のたしなみじゃないの!


…あれでしょ?ほ、ほら、たこ焼きの中に…タコはもちろん、ロシアンルーレット式で実はいろんな具材を投入して楽しんだりする…」

と私はクラスの女子達がワイワイと話してるのを1人、寂しく盗み聞いていたのだ!


「何を言ってる?あれは人数がいてからこそ楽しめるというのに、しかも俺たちのアパートに人を呼ぶ気か!?」


「は?そんなわけないじゃないの!?あんたと私でするのよ!」


「なんだと!?まさか!そんな侘しいことを本気で考えていたとは!!なんて奴なんだ!!もはやパーティーとすら呼べない!!」


「じゃあ、あの…カッパ……、高清水んちでやればいいじゃないのよ!!」

と勢い余って言うと…魚住はスマホを取り出してなんか打ったら


「ふむ…聖月くんはオッケーだって。侘しいからもう少し人数を増やしてもいいとか言ってたけど」


「人数って言っても…」


「なんなら女の子でも俺が声かけたらブワって勝手に増えますよ?お嬢様も友達ができるかも」


「あんた目当ての女子とか呼んでもあんたがハーレムになるだけでつまらないわ」


「ハッ!まさか…嫉妬!?」


「あー…ないない。隕石落ちてきてもない」

と私はバッサリ言う。


「じゃあ、どうするんですか?ぼっちお嬢様」


「実は…目をつけている女の子が1人いるわ」


「…百合ですか!?」


「違うわよ!!ぶん殴るわよ!?高清水が喜ぶだけでしょ!?」


「目を付けてるとは?」


「………綾さん」

と言うと魚住は嫌な顔をした。


「却下で!!」


「なんでよー、綾さんなんか呼べば直ぐに来るわよ?」


「いや、無理だろ!!大体姉さんはアメリカの大学に居る!」


「電話したらジェット機とか使って飛んで来るんじゃない?あんたの為なら」


「本当に来そうだからやめろ…」

とゲンナリしている魚住。


「あ、じゃあ…」

と私は思いついた。



「だからって何で俺が呼ばれなきゃならないんだよ!!?しかも全然面識の無い知らない金持ちの家でタコパって!!」

とナイスツッコミをするお隣さんのひーちゃんさん。


「まあまあ、日頃の迷惑料だと思ってー、ひーちゃんさん!」

と魚住が言うと


「ひーちゃん言うな!!俺は石神ひさしだっつの!!」

と見た目ヤンキーの体格の良い強面のひーちゃんが言う。


因みにヤンキーでは無いらしいがヤンキーに見える。


ブツクサ言いながらもとうとう、高清水の家に着いた。


「ほー、でけえな!!」

とひーちゃんも驚く。


インターホンを鳴らすとこの前の様に使用人が門を開け、玄関まで行って高清水が出てきてひーちゃんを見て


「ひっ!?ひいいい!!ヤンキー人種!!」

と腰を抜かした。


「いや、ヤンキーじゃ無いよ?聖月くん。こう見えておばあちゃん思いの優しい男だよ」

と魚住が説明すると


「う、うるせー!!その事は言うなっ!!」

と少し照れる。


「と、言うか、人数増やしてもと言いましたが、ここまで女子がいないとは!!くそ!百合にもなりやしない!!」

と高清水カッパは悔しそうだ。


「まあ、とりあえず始めようよ」

と材料を一応買ってきた魚住が言うと


「そうだね、じゃあこちらで」

と日本庭園の広大な敷地にポツンと東屋があり、横にテーブルが置いてあった。

その上にさらに小さなたこ焼き器が置いてあった。


アウトドアっぽい!!


すると高清水カッパか得意そうに自慢解説してきた。うざっ。


「ふふふ、こちらのたこ焼き器はカセットガス式でね!外はカリっと、中はトロッとした本格的なたこ焼きが作れるのさ!


まるで店の様な仕上がりでね!

もちろんフッ素加工しており、熱伝導や返しやすさも追求されたものさ。


ガスの方が早く焼けるしね!」

と言う。


「うんちくはいい!もうさっさと焼いていこうぜ!」

とひーちゃんは手際よく準備を進めたのでおーっと感心したわ。


「まあ、たこ焼きでバイトしてた時もあったからな」

と言うと魚住は


「ひーちゃんさん、プロだった!!凄い!!」

と尊敬していた。


「ま、お前らもやった事ないならやってみりゃ良いんだ。生地を入れ、具を入れ、ひっくり返して焼いて終わりだ」


と簡単そうに言っている。

まあ、そんなもんよね、テレビとかで見たことあるわ。確か最初に型に生地を入れて具を入れて…なんかクルンてするやつよね!


「じゃあ、どうせならパーティーらしくくじで焼く順番を決めましょう!後、その時に何の具材を入れたかわからない様、皆さんは焼いている所を見ない様にしたらいいかも!」

と魚住が提案した。


「それは…タコパと呼べるのか??」


「たぶん」


「面白そうではないですか!!もはやロシアン闇タコパ!!」

て高清水カッパはメガネをキラリとさせた。


「では、くじを引きますよーー!」

と魚住がくじを手に持ち、私達は一斉に棒を引いた。番号が書かれていて、最初は魚住、次がひーちゃん、次はカッパ、最後は私だった!


「あ、具材の用意はこの高清水聖月が用意させてもらいました!もちろん罰ゲーム用のものと正解用のも何種類か」

とカッパはズラリと使用人達に用意させ、いろいろな具材が集まったのだった!





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