第35話 無人探査機
笠原は永山から聞いた話をすぐに上司の山科一等陸佐に伝えた。永山は坂倉から預かった観測データも笠原に預けていた。
「この観測データはウイルスの起源を解明する手がかりにかもしれないな」山科は宮島一等陸佐と立川一等海尉を呼び出した。
「立川一等海尉、もう一度しんかい6500でこの謎の物体を探してくれないか」
「しんかい6500はすでに現場海域を離れています。準備には時間がかかります」
「ウインター少佐にはこの事実を伝えますか」笠原が質問した。
「彼には伝えない。ここにいる四人だけで行動する。すでに開戦準備に入っている日米を説得できる事実をつかむんだ」
「7,000mまで潜れる無人探査機「かいこう」がまだ現場海域近くにいるはずだ」「無人探査機を扱えるのか」「こう見えてもサブマリーナですよ」立川は笑いながら言った。
「俺も手伝うよ」戦端が開かれる前に何としても謎の物体を見つけなければならないと宮島は思った。空母ロナルド・レーガンを擁する第七艦隊の大船団が西太平洋上に集結しつつあるのを四人はまだ知らなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます