第18話 焼却と調査
護衛艦いずもの艦長大城一等海佐は届いたばかりの命令書を読み返していた。命令書は江角内閣総理大臣と内藤防衛大臣の連名になっていた。それは遺体収容後、ただちに巡視艇まつなみと第五福竜丸の焼却処分を命じていた。
最も重要なことは、アメリカ合衆国海軍と協力して、潜水艦ずいりゅうが撃沈した潜水艦の国籍特定を急ぐことだった。大城艦長は海上封鎖をしている僚艦に巡視艇まつなみと第五福竜丸の焼却処分の命令を伝達すると自艦を国籍不明艦が沈んでいる海域に向かうよう副長に命令した。
沈没海域では、潜水艦ずいりゅうが浮上して、護衛艦いずもを迎えた。大城一等海佐と篠田二等海佐は防衛大学校の同期生だった。ずいりゅうは損傷を負ったため、神戸の三菱重工業造船所で修理を行うことになっていた。大城艦長は去り行くずいりゅうの艦橋で最敬礼する篠田艦長に答礼で応えた。
沈没艦の調査には米国海軍の潜水調査艇アルビン号と海洋研究開発機構が所有する深海潜水調査船しんかい6500が当たることになった。沈没していると思われる場所は房総海底崖と呼ばれる場所で水深が約2,800mから約4,000mという深海だった。
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