第17話 繋がり
永山とアマチュア天文家の坂倉、真壁は異常な出来事を追跡していて、偶然出会うことになった。山の中腹にある諏訪神社は静寂に包まれていた。
「あなたは新聞記者なんですか」「もしかして、野鳥の大量死の記事書いた記者さんですか」「小さな記事だったのに読んでくれたの」二人の若者は同時に頷いた。「野島崎灯台辺りの海岸にイワシとカモメの死骸が大量に打ち上げられたという噂を聞きました」「野鳥だけでなく、魚も死んているのか」
「おかしなことはそれだけじゃないんです。近くで釣りをしていた人が突然血を吐いて倒れたそうです。その後、海上自衛隊のヘリコプターがすぐにやって来て、防護服を着た隊員が釣り人2人を運び去ったそうです。遅れて到着した救急隊員は現場に誰もいなくて、呆然と立ちすくんでいたそうです」
「君たち、携帯電話を持っているか。僕のはつながらないんだ」
「僕たちも何度も試しましたが、この辺りはどこも圏外になっています。房総半島の南端は交通規制だけではなく情報統制も行われているようです」
「それが本当なら非常事態宣言が出ていてもおかしくない」頭上を海上自衛隊対潜哨戒機P-3Cが飛び去っていった。永山は双眼鏡でP-3Cの行方を追った。
「あの飛行機、またソノブイを投下するのかな。投下するとパラシュートが開くのでよく見えるんですよ。自衛隊は海底にある何かを探しているんですよ」
「君たちが追いかけてる謎の物体かもしれないな」
「永山さん、水平線の向こうに煙が見えませんか」坂倉が指差す方向に黒い煙が上がっているのが見えた。
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