第8話 掲示板は嘘ばかり?

「ん~、出てこない!どうなってんの~」

あーでもない、こーでもないと部屋中に清水翠の悩み声が響いていた。


Code 偽の世界 検索結果該当0件


Code False World 検索結果該当0件


自分なりに偽の世界について調べようとしていた翠であったが、何一つ進展がなかった。


「誰もがアクセスできて、調べられるようなネット上で見つかるわけないじゃない。見つかったとしても、どうせガセネタよ~」

あきれるようにリーパーは言った。

分厚い本を読みながら、だるそうに喋っているのを見ると本当に望みは薄そうだ。


少しネットサーフィンでもして、作業を終えようとしたときに、8chと呼ばれる掲示板サイトで一つ気になるスレッドが見つかった。


"世界の真実 もう一つの世界について"

胡散臭い内容だとは思っていたが、スレ主の書き込みを見ているとそうではないことが分かったのだ。

大発見だと思った翠は内心はしゃぎながらリーパーを呼んだ。

「リーパーこれ!見て!見て!」


だるそうにリーパーがこっちを見て、書いている内容を読み上げた。

「この世界とは別の世界が存在していることを知っていますか?私たちの知っていることが真実ではなく、疑ってみることも必要なのです~?」


書いている内容を読んで溜息をついた後にリーパーは続けていった。

「勘弁してちょうだい~、陰謀論者かなんか変人の内容よ~こんなの」

文句を言ってそのまま本を読む姿勢に戻ろうとしたが、翠による妨害を受けた。


「まってまって、ここの文章が大事なの!ここ!」

翠のあまりのしつこさに怒りを覚えたリーパーだったが、その内容をみて冷静になった。

「"Codeを使って私たちの記憶を抜き取っています。その記憶によってもう一つの世界が構築されているのです"」

ふむ…一部妄想も入っているが世界の構成については間違っていないように思える。


リーパーはしばらく黙った後にこう言った。

「嘘か本当かはさておき、ある程度真実については語っているようね。ただの妄想野郎じゃなければだけど。でもこんなの見つけてきてどうするの?」


言われてから気づいたが、これから先何をしようかまでは翠は決めていなかった。

「どうしようかまでは考えてなかったけど、あの世界についてよく知りたいなと思って…」


"何も考えてなかったのね"と呆れてそうなリーパーであったが、

「まぁ、私もどんなやつか気になるから、返信しておく価値はあるかもね。」

と言っていたので、とりあえず返信はしてみた。


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54.名無しさん

>>43

はじめまして。その世界についてですがもっと知りたいです!

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翠はまだ知らなった。この書き込みによって後に起こる事を。



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