12話 自己紹介をしよう

エンブランは説明する。

「では、軍に全く興味もなく、知識もないレナトゥスに説明します。まず、合州国では、戦線が2つに分けられます。α戦線とβ戦線です。α戦線は主要国の戦線を担当しており、βよりも最新鋭の装備と優秀な人材で構成されています。β戦線はα戦線以外の戦線を担当しており、旧式化した装備と未熟な人材で構成されています。で、元帥の提案で、私は2つの戦線(合州国の持っている全戦線)を担当する目的で新規に作られた、合州国戦線の参謀に選ばれました。それは、従来の戦線で使われている兵器以上で、圧倒的な力を持つ兵器を持っていると聞いていました。ですが、その艦隊の司令官があまりにも話にならない人で残念です。このようでは、兵器なんて何も撃破するどころか、そもそも敵への攻撃にならないでしょう。」

「私はウェズン・エンブラン、17歳です。軍学校では首席でしたし、3年という最短の短さで、α戦線方面司令部の幕僚になりました。」

「なので、名前も顔も知られていると思えば、全くご存じないのですね。本当に、びっくりしました。」


ディスケレは言う。

「私はムリフェイン・ディスケレ、20歳です。私はそこまで優秀ではないかもしれませんが、軍学校ではなく、人材発掘プログラムで18歳のときに採用されました。その時にβ戦線方面司令部の幕僚になりました。一般人からのスタートでしたが、私の司令部では見たことのないほどの、理解の速さと大局を見ることができる力があると言われました。」

「これらの事(私と彼女のこと)を全く知らないというのは、レナトゥスさん、あなたは今まで新聞を読んでいなかったのですか?」


レナトゥスは黙々と言う。

「すまない、軍に関しては全く興味がない。だから、記憶に残らない。本当に申し訳ない。」


エンブランは疑った。

「レナトゥス、貴方はAIに戦って勝つどころか、人間にも勝てやしないわ」

「今、私と勝負してください、結果は全て分かっていますが」


レナトゥスは即答した。

「わかりました、シュミレーション条件はそちらが設定してください。」


シミュレーションの準備が終わった。

彼女は条件について説明する。

「今回は合州国の標準的な艦船比率と標準的な艦隊規模で行います。殲滅戦ルールで、どちらかの艦隊が全滅することが勝利条件です。」

「これで説明は終わりです。もちろん戦術は貴方が決めてください。」


レナトゥスは即答した。

「理解しました。では開始してください。」







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