困っていたところを助けたら、日本語カタコトなチャイナ娘に懐かれた
タヤヒシ
第1話 「ニーハオ」by転校生
「えー今日からみんなに仲間入りする友達がいます。みんな仲良くしてやってね」
朝自習の時間に担任の
しかし転校生と仲良くなることなんて俺には縁がないことだけはわかる。
だから俺は配られた朝自習のプリントをひたすら解くだけだった。
俺に与えられた名前はどこにおいても普通だし、実際本人も普通だ。
運動ができるわけでもイケメンなわけでもない。
強いて取り柄を言うなら偏差値だけが無駄に高いこの高校に通ってることくらいだろうか。
そんなことを考えている時、ガラガラと教室の扉は横にスライドされ、噂の転校生が入ってきたのだけれど———
「何あの子、めっちゃ綺麗」
「だよね!髪もサラサラしてて大和撫子みたい」
「おいバカ可愛くないか?」
「お前後でナイン交換してこいよ」
「いやいや無理すぎる」
そんな声がちらほら聞こえてきたのでどんなものかと俺も顔を上げたが、予想以上……いや、遥か上をいく美人だった。
すらっとしたモデル体型だが細すぎず、艶を見せる黒髪の先端はどこか茶色かかっているがそれすら美の加点ポイントに見える。整えられた五官はその小さな顔に奇跡的なバランスで配置されている。その可愛さと美しさが両立するという不可能を超えた存在は、ここにいた。
いやそれより……どこかで会ったことがあるような……気のせいか……?
「じこしょうかい、してごらん」
その子は教壇の前に立つと先生も自己紹介を促した。
しかし彼女から放たれたのは僕たちが知る流暢な日本語ではなく————
「こんニちハ、ワタシの名まえはこうしきです!」
かなりカタコトな日本語だった。
「先生からも説明しておくね。この子の名前は
そして不足を補うように先生が付け加えた。
ふとそんな時、彼女と目が合った……
綺麗だ、そう思った。
彼女はと言うと、あっとした顔をし——
「えちょなになになに」
ちょこちょことこちらまで歩いてきた。
そして話した言葉は——
「是你吧?你还记得我吗?」
うーんよくわからなかった。
「知り合い?」
先生も彼女の突然の行動に驚いているようで聞いてくる。
「いやあ、多分知らないと思うけど」
そもそもこんな美人に会ってたら忘れないと思うけど。
「えと、こうさん?はなしをしたいきもちはわかるけど、またあとでね?」
まぁ何か伝えたいのなら後でいいし先生は彼女を新しい席へと案内した。
しかし……めっちゃ視線を感じる!!
彼女は俺の斜め後ろの席だから俺が振り向くわけにもいかないし、視線を感じながら授業を受けるしかないのか……
「じーっ」
「………」
「じーっ」
「………」
まじでなんでこんなにこっちを見るんだ。
窓の外の景色がそんなにいいのか?!
『——キーンコーンカーンコーン』
やっと授業終わった早く逃げよう!
体を音速で横に捻って立とうとするが——
「うおっ」
すでに彼女が真隣に立っていてぶつかりそうになった。
「じーっ」
「なになに!?」
というか美人にそんなに見つめられると単純に恥ずかしくなるんだが。
「覚えてない?私……」
やっぱり……見覚えあったしやっぱりどこかで会ったことがあるのか?
全速力で記憶倉庫の中を駆け巡っていたが彼女はまた恥ずかしそうに言う——
「私……スキだよ」
その言葉に俺は……いや、近くに集まろうと寄ってきたクラスメイト全員が全く同じ反応をした。
「「「「はぁぁぁああああ????」」」」
どうも作者のタヤヒシです。
自分中国語話せるし書いてみようかな?と言う気持ちで書きました。
ヒロインは本場の中国語を喋るのでこっそり中国語のセリフを翻訳に掛けてるそこのあなた!
たまに翻訳結果が意味不明になるので通用するとは限りませんよ〜
まぁ読者の皆様が困らないように中国語を日本語化したものを『』で囲ったりするかもしれません。
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