第3話 休日

今日は土曜日。

アラームが7:30になって起きたが、音は止めない。

アラームの音は個人的に好きでずっと聞いていたい。

まあ、うるさいって言われるから結局止めたけど。

さあ、今日は絵を描くぞ。

この前の凜の絵を参考に。

紙を取り出す。

パレットを用意する。

水を用意する。

色を出す。

筆を持つ。

さあ、赤色を濃く塗っていくぞ、っていうかそもそも赤色ってあんな色なのか?

赤色を濃くして塗ってみた。

すると、凜と同じ色にならない。

「あれ~、なぜに~、っていうかあの色なんか見たことあるんだよな。あの怪我した時に出るあれに、ってもしかして!」

俺はハサミで自分の皮膚を切ってみた。

そこから出た血を使って躊躇しつつも、筆で塗ってみた。

すると、なんとこの前見た凜の絵の赤色にそっくりなのだ。

そんな偶然と思って、通常の絵の具で何回も試した。

しかし、あの色にはならなかった。

やっぱり、『血』なのか。

不気味すぎて、一旦その日はやめて忘れ去ろうとした。

しかし、次の日も次の日も、頭にその情報がこべりついて離れない。

おかしいだろ?

なんで凜が血なんかを?

本当に血なのか?

ドッキリだったりして。

俺は段々、真相を確かめてみたくなってきた。

そして火曜日、俺は思いきって凜に真実を聞いてみた。

ドッキリであってほしいと願って。

だが、そんな甘い考えは、簡単に打ち砕かれるのであった。


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