I'm The King. ーTHE GAME OF NATIONSー

@Author_Takuya06

第1章 物語の始まり

第1話 CHRISTMAS MAGIC?

 僕の名前はEillエイル。高校2年生17歳。アメリカのイリノイ州シカゴ出身。今住んでるのは、フロリダ州のマイアミ。父さん、母さん、僕の3人で暮らしてる。僕の家族は仕事の都合上転勤が多い。日本で言う "転勤族" って感じ。学校だって転校の繰り返し。だから友達ができてもすぐ離れ離れ。それが嫌になって最近はもう学校にはあまり行かなくなった。段々と家に引きこもるようになった。


 でもそんな僕にだって楽しみはある。ゲームだ。ゲームと言っても色々ジャンルはあるけど中でも"建国ゲーム"が一番好きだ。自分が国の主になって、国を発展させて、どんどん大きくしていく。他の国と争って、最後には世界を征服する。現実では簡単に出来なくてもゲームの中であれば自分の思うがままに世界を創ることが出来る。戦略次第で様々な可能性が広がる。それが"建国ゲーム"の醍醐味だ。今ではもう時間を忘れてしまうぐらいの熱中ぶりになってしまった。元々好きになった理由は両親にある。実は僕の両親は大手ゲーム会社に働いてて相当のゲーム好きだった。休日が来れば毎回家族全員で一緒にゲームする程だった。ある日、両親からいきなりあるゲームを勧められた、そうそれが"建国ゲーム"だった。


 前置きが長くなったけど、今から話すのはとある年のクリスマスに僕が体験した不思議な出来事について。 あの出来事は本当に忘れられない...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 12月25日。今日はクリスマス。夜はマイアミの自宅で家族親戚全員が集まってクリスマスパーティをする予定だ。今年はアメリカに数十年に一度の大寒波が来ていて、マイアミでも珍しくホワイトクリスマスとなっていた。僕は相変わらずリビングのソファーに寝転がってゲームをしていた。もちろん建国ゲームだ。


 エレーナ(エイル母)

「今日は寒いわね...マイアミで雪って相当よ?」


 エイル

「親戚のみんな車で来るんじゃなかった?外真っ

 白だよ?」


 ルイス (エイル父)

「エレーナ!スコップどこにあるかわかるか?こりゃ雪かきしないとまずいな...」


 エレーナ

「裏の物置にあったはずよ。たしか。」


 ルイス

「そうか、じゃあ行ってくる。」


 ルイスはそのまま外へ出ていった。外では近所の小さな子供たちが大はしゃぎで雪遊びをしている。高校生にまでなると人にもよるけど雪降ってもさほどテンションは上がらないし、むしろ下がるというか、しかも自分はほぼ「"Hikikomori"《ひきこもり》」だからなおさら...


 エイル

「おっ、もうそろそろ全クリできそうだな...」

「資源を集めて....っと...」

「そして建物をアップグレードして...」


 このゲームはもう5年間も続けてきたが、今日になってようやく全クリが出来そうな所まで来たのだ。今までの努力が報われる。そう考えると心がワクワクする。


 エイル

「アップグレードに時間かかるからちょっと寝るか。パーティもあるからその時間まで...」


 僕はリビングを離れ自分の部屋に向かう。

そのままベッドにダイブする。布団の温もりが僕の体を包み込む。心地よい... 寒い日に入る布団は最高だ。一度入ってしまうと抜け出せない至福のひと時トラップだ。あまりの気持ちよさにそのまま寝落ちしてしまった。


それから日は落ちPM7:00...


♪ピコン(スマホの通知音)

僕はこの通知音で目を覚ました。部屋は真っ暗だ。外も真っ暗だ。すかさずスマホを手に取る。


〘建物のアップグレードが完了しました。〙


ゲームの通知だった。そのままゲームを開く...


〘おめでとうございます!全ての実績が解除されました!〙


という画面がデカデカと表示された。事実上の全クリをついに達成したのだ!次にスタッフロールが流れる。嬉しさで胸がいっぱいだった。ゲーマーであればこの気持ちは分かると思うが、ゲームを全クリした時の達成感というのは本当にハンパない。今までの努力が実を結んだと考えると何かこう、込み上げてくるものがある...


そんな風に嬉しさに浸っていた自分だったが、それは、突然起きた...

ピカッ!画面が眩しく光った。目が眩んだ...

何だか何かに吸い込まれる感じがする...


エイル

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


フワッと体が浮く感覚...そのまま意識を失ってしまった。エイルは突如として姿を消してしまった。

部屋は静寂に包まれた... 異様な空気が漂う。

窓がガタガタと音を出して揺れる。。。

外は吹雪のようだ...


《その頃両親は...》


エレーナ

「あっ、親戚のみんなが来たわよ。」


ルイス

「迎えに行こう。」


2人は親戚を迎えに行くため玄関へ向かう。ドアチャイムが鳴り、ドアを開ける。


エレーナ

「いらっしゃい。大変だったでしょ?さぁ入って入って!」


ジョン(エイルの祖父)

「いやぁー外は酷いよ...寒いからホットココアでも頂こうかね。」


祖父母、父の姉、母の兄妹、いとこ達が我が家にやって来た。続々と家に入っていく。家の中は一気に賑やかになった。


エレーナ

「すぐに暖かい飲み物を用意しますね。」


ジョセフ(エイルの祖母)

「そういえばエイルが居ないわね。家に居るんじゃないの?」


ルイス

「自分の部屋にでも居るんじゃないか?ちょっと呼んでくる」


そう言ってルイスはエイルの部屋に向かった。


ルイス

「おーいルイス?そろそろパーティの時間だぞ?」


部屋の扉を開ける。が、そこには誰もいない。


ルイス

「トイレか?」


トイレの方にも行ってみるがやはり誰もいない。

そのままリビングに戻る。


ルイス

「おい、エイルどこにもいないぞ?」


エレーナ

「え?じゃあ、外にでも出かけたのかしら?」


ルイス

「玄関から誰かが出ていくのを見なかったか?」


エレーナ

「そういえば、ずっとリビングにいたけど見てないわ。」


ルイス

「まさか何か事件とかに巻き込まれているんじゃないだろうな?」


エレーナ

「ちょっと、やめてよ。と、とりあえず家の中をくまなく探しましょう。」


こうして家族、親戚総出でエイルの大捜索が始まった。


見つかるはずなんてないのに...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1801年

Holy Aphesis fourth Empire

《神聖アフェシス第四帝国》

Aphesis Castle《アフェシス城》 城内




♪パッパラパッパ パッパパッパ パッパラパッパ パッパパッパパー(ラッパの音)


僕はラッパの音で目を覚ました。そこには見知らぬ光景が広がっていた。


エイル

「うーん...ここはどこだ?ベッドの上か?というかやけに豪華な部屋だな。」


エイルはあまりの豪華さに唖然としていた。ベッドを出て部屋の中をまわる。とても巨大な絵画、ロココ調の家具、数々の装飾品、どれも高価な物ばかりだ。

こうして部屋の中を色々見ていると...


コンコン(ノック音)


???

「国王陛下入りますよ。」


タキシードを着た男性が部屋に入ってきた。


???

「国王陛下お目覚めですか。」


エイル

「国王陛下?僕が?それよりあなたは?」


執事

「誰って...陛下の執事ですよ。」


エイル

「ほぉ...国王って...人違いでは?」


執事

「あの...一体どうされたんですか?陛下は陛下ですよ。」


エイル

「それよりここはどこ?」


執事

「アフェシス城ですが...」


エイル

「アフェシス...ってどこ?どこの国?」


執事

「神聖アフェシス第四帝国ですが...」


エイル

「今何年?」


執事

「1801年ですが...」


エイル

「1801年!?」


何度も何度も聞くが執事の答えは変わらない。

そんな馬鹿な...そう思っていたが、とある物を見て執事の話が本当である事に気づく。新聞だ。


【1801年4月1日】


新聞の日付の欄には確かにそう書いてあった。さらに衝撃の事実が発覚する。


【今日、ジェネシス・キリスト大聖堂にて新国王戴冠式】


見出しにはそう書いてあるとともに新国王の写真が一面に大きく載っていた。


エイル

「この写真... 俺だ!?」


その写真の人物はエイルだった。自分が国王であるというのも本当のようだ。


エイル

「というか俺、ゲームしててスマホが突然光って、その後にここで目を覚ました...んだったな。」


...。そういえば神聖アフェシス第四帝国なんて国は初めて聞く。勉強してて世界史には詳しいが、聞いたこともない。もしかして別世界にでも転生したのか!?


« エイルの国王としての生活が今、始まる»


続く >>>>
















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