第22話 ヤッちまったぜぃ、わたし…

 う、う~ん…



 あと、20分…




 寝ぼけ眼に微睡むわたし。


 


「20分がどうしたんだ?」


 はひ?


 ふ、フウガさま?


 わ、わたしのベッドに、ふ、ふ、フウガさま?


 しかも



 は、





 ハダカ!?


 完璧な肉体が横たわってますよ?




 わたしも、ハダカ!?




「ん?何を驚いている?」


 イヤイヤ


 オドロキマスワヨ?


 わたしも、ハダカ。フウガさまもハダカ。


 そこから導きだされる結論は…


「あ、あのぅ…もしかして、ヤッちまいましたか?」


「ああ」


 ボフッ!


 真っ赤になるわたし。


 戸惑うわたしを優しく抱き寄せるフウガさま。

「どうした?起きたら続き、だろう?」


 あひっ


 そしてそのまま…

 わたしの首筋にキスを…


 ゾクゾク感と幸せ感がハンパないわぁ…



 それはそうと!

 思い出せ!


 思い出すのよ!


 わたし!


 なんで、こんなことになってるのぉぉぉぉぉ!



 。


 。。


 。。。



 そう、確か昨日は白狼の部族と友好関係を結んで、大宴会になったんだっけ…


「ルクスリア!皆、あなたのお料理を喜んでるわ!ママ、とっても鼻が高いわ!」


 宴会の途中でママに声をかけられて。


「あら、呑んでないわねぇ。ダメよぉ。ほら、あなた用のワインよ」


「ありがと、ママ」


 そう、このワインを呑んだあと、急にぽーっとしてきて、ドキドキしてきて。

 そこでフウガさまに会って…

「こっそり、抜け出して2人きりになりたい♥️」

 って言ったら応じてくれて。


 そこから



 そこ、から



 そこ、か、ら…


 お城まで抜け出して…


 離れのわたしの寝室で


 うん


 わたしから、誘って…



 うん


 

 ヤリまくった…



 そう、めっちゃ、ヤリまくってた、わ…



 あぁぅ…


 そんな混乱しているわたしのことはお構い無く、フウガさまはわたしを愛撫してくれてる…


 控えめに言って



 チョー、上手い♥️



 嗚呼…


 産まれてはじめて、好きなヒトとセックスしてるんだ…


 1度死んでるけどね…



 し、



 し・あ・わ・せ♥️



 セックスって、こんなに幸せな気持ちになれるのねぇ…




 で、でも


 わたし、自分から誘っちゃう度胸なんかないし、どうしてこんなことに…


 ママからもらったワインを呑んだら少しおかしくなった、気がするわ…



 ん?


 ママ??


 ワイン???


 さては…



 一服、盛りやがったなぁ!あの母親ぁぁぁぁ!!


 心の中で叫び声をあげつつも、フウガさまとのアツい♥️時間に朝っぱらから酔いしれるわたしでした。


 大事だから、もう一度。



 し・あ・わ・せ♥️



 時を忘れてお楽しみ中のわたし。

 フウガさまも、喜んでくれてるかな?


「今度はわたしが…」


 体位を入れ替えて、わたしが上に。

 フウガさまにキスをして、カラダを起こす。




 バーーーン!!


「ルクスリアどん!どこたい!勝負たいね!」


 物凄い勢いでギンカさんが乱入。


 

 目が合います。


 ハダカでセックス真っ最中のわたしたち…



 。


 。。


 。。。


「お、おはんら、なんばしよっとかぁぁぁぁぁ!!」




 なんばしよっとかはこっちのセリフじゃあぁぁぁ!


 これから、わたしが上でフウガさまを悦ばせるハズだったのにぃぃぃぃぃぃ!!


「やれやれ、鬼に見つかってしまったな。これまでにしようか?ルクスリア」


 ま、まぁ、ルナに見つかるよりはいいか。


 フウガさまの言うとおり、したりないけどセックスを止めるわたしたち。


「ふ、フウガさま?ギンカさん、怒ってる?」


 気になったので聞いてみる。


「なぁに。キミには怒ってはないさ。あの雷様はヤキモチ焼きでね。キミの様に素直にも大体にもなれないのさ」


 ふーん。


 何か、意味深。


 つまり、フウガさまとセックスしたいけどしたい!って、言えないってことなのかな?


「だが、勝負くらいしてやってくれ。とりあえず、それでなだめることができる。くわばら、くわばら」


 まぁ、ギンカさんとのお付き合いはフウガさまの方が上よね。素直に従いましょう。


「わ、分かったわ。ギンカさん、後で勝負してあげるから」


「そうか!なら、よか!何時たい?」


 目の色変えるギンカさん。

 変わってるヒトだなぁ…


「い、今はアバラ痛めてるからすぐはだめよ?」


「わかっと!ルクスリアどんと勝負するまで、厄介になるたい。よかか?」


 いや、それは別にいいんだけど…


 ん?


 ギンカさんがいるってことは…


 フウガさまをチラ見するわたし。


 ウインクしてくるフウガさま。



 ああ~…



 分かっていらっしゃる♥️



 こうして、ギンカさんに連れられて森に戻り、色々と話を詰めることになりました。



 そして


 今日からというもの、隙あらばフウガさまを求めるわたし♥️


 フウガさまもわたしを、ガンガン求めてくるの♥️



 さっすが、ファンタジー世界。もうね、現代では考えられないことしてますわ♪


 ある時、お外で立ちバッグでした時に気になったからフウガさまに聞いちゃった。


「ねえ、フウガさま…わたしのカラダ、どお?」

 わたしのおとがいに手を当て、後ろを向かせてキス。

「そうだな、控え目に言って…」

「うん」

「最高だな。今まで、抱いた女性など比べものにならないさ」


 その一言



 幸せすぎる♥️♥️♥️

 乙女としては、嬉しすぎよね!


 もっと、色々なテクでフウガさまをわたしの虜にしちゃうんだから♪


「それはそうと、ルクスリア」

「なあに?」

「護身用の武器くらい持て。この前みたいに強化魔法が使えない時様に対策をしておくんだな」



 エッチの最中に、そんなこと…


 なるほどね。


 根っからの戦闘民族、鬼人オーガ特有の考えね。


 言われてみればそうね。ルナにでもはなしてみよう。



 そんな性活も長くは続かないもよね。


 旅の途中のお二人を永く留まらせられないからね。



「さあ!ルクスリアどん!勝負たい!」


 お城の訓練場。

 意気揚々のギンカさん。

 わたしのアバラもすっかり良くなったので、約束の勝負をすることに。

 練習用の木刀を構えるギンカさん。

 そこに、ルナが現れる。

「姫さま。ご注文頂いたお品の試作品ですが、本当にこのようなもので?」

 ルナは細長い布の両端に直径10cmくらいの球を着けたモノをわたしに渡す。

「うんうん。大体いいわ」


 何か分かるかな?


 それを手に取るわたし。

「準備はよかね?フウガ!合図!」

 フウガさまを見て頷くわたし。

 フウガさまも頷き返す。


 うん!

 もうすっかり、目と目で通じ会う仲ね♪


「よし、2人もと怪我はするなよ。はじめ!」


 フウガさまの合図と同時に斬り込もうとしてくるギンカさんの顔の横をわたしのが掠める。

 素早く引き込み、高速でその球を身体の近くで振り回すわたし。


 フフン♪

 こういう、機械武術も心得があるんだから!

 流星錘って武器ね。

 決してヒロインが持つ武器ではないわね(笑)


 慎重になるギンカさん。

 どうやら間合いを測りかねているみたいね。

 来ないなら、わたしから!

 わたしは勢い良く錘でギンカさんの足下を払う。

 それを避けるギンカさん。

 わたしは連続で足下を狙う。

 さすがに、バランスを崩したりしないわね。

 なかなか踏み込めず、しびれを切らしたのかな?

「ええい!考えるのは止めたい!」

 刀を上段に構え突進しようとしてくるギンカさん。

(掛かった!)

 わたしは直ぐ様錘を木刀に向けて投擲。

「しまっ…」

 錘が木刀に絡み付く。

 絡み付くと同時に一気に引き込むわたし。

 バランスを崩したギンカさん向けて一気に踏み込み、肩を入れる!

 鉄山靠ね!


 ドスン!


 震脚の思い響きと同時にギンカさんがふっとぶ。

「勝負あり、だな。見事だ、ルクスリア」

 やったね!フウガさまに誉められちゃった♪

「いやー、さっすがたい」

 けろっと起き上がるギンカさん。

 あの~…鉄山靠がモロに入ってますが?

「参ったい。もっと修行つまんとね!ありがとたい!ルクスリアどん!」


 フウガさまの顔を見るギンカさん。

「よし!出立するたいね!」


 えっ!

 唐突すぎ!

 もっと、フウガさまと愛し合いたいのに!


 でも、お二人は旅の途中だから、仕方ないよね。


「あ、フウガさま。陣羽織、お洗濯したのでお返しします」

 わたしは、お借りしていた陣羽織を、フウガさまに渡す。

「そうだな…」

 フウガさまは、陣羽織を開く。

 そして


「今は、お前と一緒にいて護ってやることが出来ない。これを、俺だと思って着ていろ」

 

 改めて陣羽織を着せてくれるフウガさま。


 もう、チョー嬉しいんですけど!


「じゃあな」

「今度は負けんたいね」


 こうして、ひょんな事から出会って、深い仲♥️になったフウガさまとギンカさんは旅立って行きました。


 はぁ、夢みたいな日々だったなぁ…



 でも、夢は醒めるもの。

 フウガさまとの思い出にひたるわたし。



 でも、これから、また色々な問題が出てくるんだけど、それはまた別のお話ね。

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