おっぱいで〇〇に覚醒しちゃった♡

「……桃花ももかちゃん、しっかりして!!」


 担架で保健室に運ばれる美馬桃花みまももかちゃん、意識が戻らない彼女の身体を思わず揺さぶってしまう。


「正美、気持ちは分かるが脳震盪を起こしているから身体を動かしちゃ駄目だ」


 りっつ子さんに言われて自分が取り乱している事にやっと気付いた。


 僕、大迫正美おおさこまさみは聖胸女子高等学校生徒会、通称ミューズの仕打ちによって痛めつけられた少女、美馬桃花ちゃんを救護すべく僕と番台姉妹で、校内の保健室に急いでいた。あの場所なら下手な大学病院顔負けの設備が整っていると、りっつ子さんから以前聞いていたいんだ。


 りっつ子さんが有名な製薬会社の研究員のポストを捨てて、転職した先が女子校の保険医と聞いて最初は不思議に思ったんだ……。


 だけど生き生きと語るりっつ子さんをお姉さんのにゃむ子さんと僕で見ている内に研究に制限のある製薬会社や大学病院より、自由に大好きな研究に没頭出来るほうが素晴らしいことに気付いたんだ。


 それもおっぱいに特化した分野では、下着メーカーの研究施設以上に、学校創立当時から蓄積された膨大なおっぱい研究資産がある。


 りっつ子さんに指摘されなくても自分で良く分かっている。

 今の僕は冷静じゃない、何故なら美馬桃花みまももかちゃんの行動を目の当たりにしたからだ、女装した康一、僕の幼馴染みを女性として好きになった彼女、


 その清廉せいれんとした想いに胸を打たれてしまったんだ……。


 桃花ちゃんが恋に落ちた相手は男なんだ、それを知らないで彼女は未だ担架の上で眠っている。罪悪感に苛まれるのは慣れているつもりだが、そんな彼女に自分自身を重ねていることに気が付いた。


 それに康一は大丈夫だろうか!? 生徒会長の今宮美鈴さんと二人っきりで、反省房に行かせてしまった、本当にその選択が正しかったのだろうか。


 ネガティブな考えばかり頭の中に広がってしまう……。


「まさみん、こんな時こそスマイルだよっ!! はいっ、笑って頂戴、ピアノ売って頂戴!! ってローカルCMすぎるか、にゃははは♡」


 並んで担架を運ぶ、にゃむ子さんは僕の沈んだ表情を見逃さない。

 にゃむ子さんが令和の昨今。なぜ昭和の親父ギャグに走るのが、僕は出会った当初、理解出来なかった……。 


だけど今ならはっきり分かる、誰よりも傷つきやすい存在なのが、にゃむ子さんと言うことを。



 *******


 

『……正美ちゃん、逃げて、ここにいては駄目!! 番台のおばちゃんに構わず、早く逃げて!!』


 紅蓮の炎に焼かれる亀の湯、煙で喉が痛いが、口を覆う手ぬぐいではまったく役に立たない、でも逃げては駄目だ、助け出さなきゃ!! 僕の大好きな番台のおじさんとおばさんを……。



 ******* 



 またあの光景だ、僕はもう過去を思い出さないと誓ったのに……。

 僕が過去に囚われたままでは、にゃむ子さんだけではなく、みんなを悲しませてしまう、もう一度強く心に誓え!!


 僕、大迫正美はもう涙はやめるんだ……。


「……にゃむ子さん、もっともっとだね!!」


 今、僕に出来る最高の明るさで、にゃむ子さんのCMギャグに乗っかる。


「ノンノン! まさみん違うよぉ、そこはもっとぉ♡もっとぉ♡じゃなくちゃ」


 にゃむ子さんがGカップおっぱいの下乳を両手で持ち上げながら切なそうな喘ぎ声で答える、財津○郎も買い取りを放り出して悩殺される勢いだ。


 やっぱりこの笑顔には敵わない、僕の大好きなにゃむ子お姉さん!!


「にゃむ子お姉と正美、桃花ちゃんを担架からゆっくりと降ろしてくれ」


 僕達が到着した場所は学校の保健室だったが、正確には違った。

 狭い保健室に置かれた医療用の棚、それを移動させると隠し扉があったんだ、

 扉の先に一歩足を踏み入れた僕は驚きを隠せなかった。

 そこには教室ほどの空間が広がっていた。

 僕が見ても分からないが、研究用の機材やパソコンが所狭しと並んでいた、

 その中で目を引いたのは女性のおっぱい模型だった、良くあるマネキンと

 違い胸だけ、それも色んなサイズが並んでいたんだ。


「……す、凄い!!」


「どうだ正美、私のおっぱい研究の城は壮観な眺めだろう!!」


 りっつ子さんが僕の隣に立ち、誇らしそうな顔で解説を始めた。


「……りっつ子さん、ひとつ疑問なんですが、どうして聖胸女子は、こんなに最新鋭の研究施設を持っているんですか? おっぱい信仰は分かるんですがこの部屋のおっぱい模型にはすべてブラが装着してありますよね」


「正美、さすがいい所に気が付いたな、確かに聖胸女子の学校側、特に生徒会が強硬しているノーブラ検査は、女性の神聖なるおっぱい、それを拘束するブラジャーを徹底排除する狂った思想だ。だが育乳の観点ではノーブラはおっぱいに害を与えるんだ、クーパー靱帯の損傷はツンとした上向きのきれいなおっぱいを失うことになる。そこで私の出番だ、ブラジャーの効能を徹底的に研究して、その機能を制服に落とし込むんだ、ほら正美の着ているセーラーブレザーの上着、それにも装着されているぞ、自分でおっぱいを触ってみろ……」


 えっ、この可愛い制服の上着に内蔵された機能が通常の下着、

 固いワイヤー入りのブラなみの効果があるの!?

 制服の上着におそるおそる手をあてた、両方のおっぱいの膨らみ、

 康一に理想のかたちと言われた僕のおっぱい、確かDカップと言っていたな……。

 慈しむように手のひらで乳房全体を揉みしだいてみる。


「……んっ♡」


 指先で敏感な先っぽの突起を転がしてみた、弾力のある固まりが応えてくれる。


「う、ふうっ、んんっ♡」


 訳あって男の娘だった期間が長かった僕、康一の言っていた意味が分かった。


【お前、め、雌の顔になってんぞ!?】


 愛情ホルモン、オキシトシンが身体の奥できゅんきゅんと分泌される。


「……僕、分かったよ! りっつ子さんの言っている意味が!!」 



 次回に続く。



 ☆☆☆お礼・お願い☆☆☆


 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。


 面白いと思っていただけましたら、


 レビューの星★★★でご評価頂けたら嬉しいです。


 つまらなければ星★1つで構いません。


 今後のやる気や参考にしたいので、何卒お願いしますm(__)m





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