古いアルバムの中に隠れたおもいでがおっぱい。
『あなたが強い子に育ってくれてお母さんは本当に嬉しいの。だけど
お母さん、なんでそんなこと言うの!?
僕は約束したよね、お母さんをこの手で守るって……。
だから男が泣いちゃ駄目なんだ、お父さんみたいに強くなる!!
だからもっと僕のことを褒めてよ、お母さん!!
*******
「……こ・う・い・ち」
誰かに名前をよばれた気がした、もしかしてお母さん!?
いや、それはあり得ない、俺は夢を見ていたんじゃないのか……。
だとしたらこの声はいったい誰だ!?
あわてて上半身を動かそうとするが身体の自由がまったく効かない。
まるで鉛のようだ、かろうじて薄目を開けようとするが視界がぼやけて焦点が定まらない……。
背中に感じるこの固い感触、俺はベッドに寝かされているのか!?
この感触は何なんだ、誰かが俺の身体を押さえつけている。
それが身体の自由が効かない
「……康一、苦しかったでしょ。いま楽にしてあげるから」
やっと視界がクリアになる。
「ま、正美!? お、お前 何してんだよっ!!」
「わわっ!! 康一の目が覚めちゃった、ど、どうしよう……」
思わず俺は自分の目を疑った、白いシャツ越しだが大浴場でみたおっぱいだ。
おっぱいの中のおっぱい、俺の中では殿堂入り級なおっぱいだ。
【おっぱいソムリエ財団、2022版データブックにて俺様調べ】
正美が俺の身体にのし掛かる体勢で馬乗りになっていた。
こちらに負担を掛けまいとの配慮か肩肘をベッドについている。
体重を分散しているんだろうがその配慮が今の俺にとっては
正美との距離がヤバい程に近い……。
俺の頬に正美の吐息まで掛かってしまう程の至近距離だ。
……その
「ま、正美、か、かわいい!!」
「……こ、康一!?」
目の前の正美がとても愛おしく思えた……。
俺はまた脳がバグったんじゃないのか!? これも呪いの副作用かもしれない。
正美は俺の大事な幼馴染みで親友、そして何より根本的に男だ……。
思い返してみると子供の頃から正美は良く女の子に間違えられた。その色白で
いくら俺の理想のおっぱいを装着しているとはいえ、 これは偽物だ。フェイクおっぱいに俺は
「何なんだよ、またコケにしようとしているのか……。冗談がキツいぜ正美、なあ俺はもう疲れちゃったよ。今日だけでいろんなことあってさ、確かにお前もこの街も俺がいない
正美はいまにも泣き出しそうな表情を浮かべ、こちらを黙って見つめていた。
「康一、ごめん、僕のせいなんだよね……。だけどやらなきゃ駄目なんだ、今はその
正美はメモのような物を広げ、そこに視線を落とした。
そしてしばらく思案した
「……先日、僕がアパートに遊びに行ったときのことを覚えてる?」
突然、正美は何を言い出すんだ!? 一週間前に俺のアパートに来たことか。
ゴミ屋敷化しかかっていた部屋を正美は何時間も掛けてピカピカにしてくれたんだ。それを見てお前が女だったら絶対嫁さんに貰うのにって俺が冗談で言ったら、何だか妙にわちゃわちゃ慌てていたっけ……。
「康一のベッドの下も掃除したよね、悪いけど見つけちゃったんだ。カラーボックスの奥にあるモノ……」
ええっ!? ベッドの下、カラーボックスの奥深くといえば……。
おわあっ!! おっぱい星人秘蔵のエロ本貯蔵庫じゃないか。
親父と冒険の傍らに世界中で仕入れたお宝本がぎっしり詰まっているんだ。
「ま、正美、もしかしてアレを見たのか……!?」
「うん!!」
「カラーボックスの何段目まで見たんだ……」
「大掃除だからね、もちろん全部の引き出しだよ♡」
ニコニコしているのが逆に怖い、正美は子供のころから変わっていて家が銭湯で、
女性の裸なんて見放題なのに全然興味がないんだ。
良くからかうネタにしたもんだ、お前、本当は男が好きなんじゃないのかって。
べ、別に焦る必要はないぞ、正美は男で女の子にえっちな本を見つかったわけじゃない。
「康一、ずり◯チ
「ぶはっ!?」
えっちな本のタイトルを言われて俺は思わず咳き込んでしまった……。
「何だか一番のお気に入りみたいで同じ本が何冊もあったけど、あれはいったい何をしてるの? サングラスを掛けたイケメンの男の人と麦わら帽子をかぶった男の子が並んでる表紙だったけど……」
「そ、それは、サングラスのイケメンが巨◯さんで麦わら帽子が四平なんだよ……。ま、幻のイトウならぬ幻のおっぱいを求めて北の歓楽街へおっぱい釣り三昧、その筋では有名な巨乳ハンターの話なんだ」
「あっ、だからおっぱいに大きな魚を
「そうそう、◯根さんは四平のおっぱい釣りの師匠なんだ。鬼ならぬまりっぺのいぬ間に魂のおっぱい釣り紀行に出掛けたんだ。四平のじっちゃんが作った巨乳捕獲用の特別製ビッグタモが凄いんだぜ!! って俺に何を語らせてんだ、まさみっ!!」
何でえっちな本の内容を詳しく解説するんだ。よりによって俺のフェイバリットな一冊を。
「ねえ、コーイチ……」
エッチな本のことを指摘されて戸惑う俺にいきなり正美が覆い被さってきた!!
「あの本と同じこと、してもいい?」
俺の耳元に囁きかける……。
「えっ、同じことって!?」
「ず、ずりキ◯……」
「阿呆か~~!! お、お前は正気なの!?」
正美の顔は耳まで真っ赤だ、こいつが下ネタを言うなんて初めて聞いたぞ……。
その
「正気だよ、はむはむって意味でしょ、康一は嫌いなの……」
確かに俺はおっぱいが大好きだ、寝ても覚めても忘れない。ビックリするぐらい大好きなんだ。だけどお前は男で、俺の大切な幼馴染……。
「これはおっぱいの
正美は泣き笑いの
「それに安心して。嘘のおっぱいならいくら触っても平気でしょ……」
そうか!! やっぱり映画研究会の佐藤が作った偽物おっぱいなんだな。
「それなら安心して揉ませて貰うぜ、正美!!」
「うん!!」
俺の二つ返事を聞いて正美の顔に、ぱあっ、と明るい笑顔が戻った。
そして第二ボタンまで外してあるシャツに手を伸ばした。
白いシャツの前身頃がおっぱいを包む下着部分だけはだける。
程よい大きさのおっぱいが重力に逆らうように、ぷるるん♡と顔を出した。
下着越しとはいえ、大浴場で見たときより生々しい。あのときは浴槽からの湯気もあって風呂用コンタクトをしていたがすべてが鮮明でなかった……。
今回は白いブラジャーに隠されているがまるでハイビジョン並みによく見える。
自分の胸の高鳴りが抑えきれない……。
ごくり、唾を飲み込む音を正美に聞かれてしまわないだろうか!?
「康一、なんだか目が真剣すぎてちょっと引くかも……」
「しょうがないだろ……。 こんな最高のおっぱいが至近距離にあるんだ。思う存分に堪能させて貰うぜ!!」
「もう!! 馬鹿こーいち……」
これ以上はないほど頬を真っ赤にした正美。俺の顔から視線を逸らした。
「でも、こわれちゃうといけないから優しくしてね……」
そう言いながら、正美は後ろ手でブラのホックを外しに掛かった。
そうだった、映画研究会の佐藤謹製の偽物おっぱいだから手荒にあつかって、
破損して弁償させられたらとても敵わないからな……。
おっぱいじゃないが価格の一例で狼男の特殊メイクでウン十万掛かるそうだから。
「なっ……!?」
ナイロン素材が
「やっぱり恥ずかしいからちょっと目を
ええっ、俺は正美のむブラジャーで目隠しをされてるのぉ!?
そういえばほんのりと両目が暖かい……。
これは
「ぷっ、あはは、康一、まるでおっぱい仮面みたい!! ブラで顔を隠して世を忍ぶ姿とかすっごく笑える恰好かも!!」
「正美、くれぐれも動画撮影はご遠慮ください……」
こんな姿を世界発信されたら社会的に終了のお知らせだ。
「大丈夫、康一と僕だけの秘密にするから♡」
「さーせん」
ワクワクが止まらないとはこのことだろう……。
合法的におっぱいを触って、弄んで、転がして、俺の妄想が遂に実現化するときが来た!!
おっぱいの試乗が出来るんだ。短い試乗コースではなくサーキット貸し切りで全開試乗可能なんだ。
ヤバい!! 俺の妄想のクイックシフトがもうトップギアに入ってしまいそうだ……。
「じゃあ、五つ数えたら顔のブラを取るね……」
正美がカウントを始める。
「い~ち!!」「に~い!!」
「さ~ん!!」「し~い!!」
いよいよ、おっぱいの決算大試乗会のはじまりだ……。
もう俺はこのまま死んでも構わない!!
【間違いだらけのおっぱい選び】な全開試乗の次回に続く。
☆☆☆お礼・お願い☆☆☆
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
少しでも面白いと思っていただけましたら、
レビューの星★★★でご評価頂けたら嬉しいです。
つまらなければ星★1つで構いません。
今後の作者のやる気や作品の参考にしたいので、ぜひお願いしますm(__)m
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