不運のどん底にいる里ちゃんが、とある村に住むことになります。
とある村には優しい村人と個性的な神様がいて、生活していくうちに少しずつ関係性も変わってきます。
贄、と読んだ時はビックリして、ほのぼのだったよね?とタグを見返してしまいましたが、ちゃんとほのぼのです。時にハラハラするかもしれませんが、ほのぼのです。
謎のイケボ神主や、調子が良いけど頼りにもなる松里さん。お料理上手な美恵子さん。かわいらしくて、憎めない神様たち。
読んでいると、いつの間にか彼等を好きになっていて、一緒に住みたくなってしまうのです。
喧嘩もしてみたり、心配もしてみたり、恋もしてみたり。
そんな風に過ごしてきた里ちゃんの、最後になりたいと言ったもの。
明るく希望に満ちた終わり方で、話が終わってもなお主人公を応援したくなる。
そんなお話でした。
何処かの里に、こんな変わった神様たちのお社が本当に実在するのかも知れません。
暢気で愛嬌があって、ちょっとお節介な神様。神聖だけれども俗っぽい。気高くて霊験あらたかなれど好奇心も旺盛。彼らは人間の暮らしに興味津々で、積極的に関わって、共に悩む。
就活で息詰まった乙女が里にやって来たことから、不思議な縁の物語が始まります。妙ちくりんな黒猫と出会って乙女は、知られざる神の世界に触れ、成長を遂げる。変わったのは、彼女だけしょうか?
猫神様もまた、節目を迎えます。気の遠くなるような時間を過ごして、運命の女性と巡り逢った…長い旅路の果てに、辿り着いた安らぎの境地。
これは神様たちが優しさに包まれて、癒される奇跡の物語です。
穏やかで、優しい物語だ。読み進めるうちにじんわりと心に沁みる心地良さがある。
主人公である里の、運の悪さには思わず、応援したくなってしまう。頑張れ、と応援したくなるような主人公は、遠く離れた祖母の家の管理をすることになる。
神社へと続く道に迷い込んだ里は、そこで神様と出会う。神様と出会ったことから始まるお話は、驚く程に穏やかに優しく進む。強張っていた心をゆっくりと解す優しさに満ちた世界の、物語がここにある。
時に切なく、時にはらはらとしながらも進む物語は力が抜けそうな程に穏やかだ。
登場人物は皆、誰もが魅力的だ。魅力的で、優しくて、読んでいて心地良くなる。縁側で足を投げ出しながら、お茶を片手に物語を読み進めたくなる。
読後感は希望に満ちていて、すっと力が抜けて心地が良い。そんな物語です。
受験に失敗し、就職難に見舞われ……人生でいいことがなかった里は、親から勧められて数年前に亡くなった祖母が住んでいた家の管理をすることになりました。そこはど田舎で、山と田んぼしかないような場所。
しかしそこで里は、普段は猫の姿をした神様の汐や、その眷属だと言う松里と出会うのでした。仕事のことなど全く考えていなかった里は、図らずも神社での巫女アルバイトとして働くことになります。
ご近所の三重子さん、そして三重子に関係が深い隣村の氏神、氏康様、そして村の人々と関わる内、人々の温かさはもちろん神々との関係も深まっていき、やがて里は汐に心惹かれ、「ずっと一緒にいたい……」と思う様になります。
そんな中神無月が訪れて、神様は出雲に行ってしまい……
里山のゆっくりした景色や時間が読んでいても心地よく、また里とそれを取り巻く人々や神々との会話もテンポが良くて惹き込まれました。最後の方にはウルっとしたりドキドキしたり、最後まで目が離せず一気に読んでしまいます。
疲れた心に効く清涼剤の様なストーリー。オススメです。
人生まったくうまくいかない主人公の里さんは、息抜き(現実逃避)にとある田舎を訪れます。そこにある神社に立ち寄ったのをきっかけに出会ったバリトンボイスの謎のイケメン神主、そしてどこか掴みどころのないオネエさんの松里さん。彼らの正体はなんと——?
日常生活にふとした不思議が舞い込む、ほのぼのまったりストーリー。田舎の懐かしみある情景に包まれながら、癒されること間違いなし!日本の信仰文化を美しく映し出す、心癒される逸品です!
果たして里さんの運気は上がるのか、どうなる田舎暮らし……!
なんだか疲れたなという人にも、ぜひおすすめな一作です!
最新全34話まで読んでのレビューです。
まず何よりタイトルから良いですよね。惹かれます。「にゃあ」ですよ。
その鳴き声といえば、ですし、好きな方にはそれだけでたまらないですね。
物語は、とても優しいです。
都会のぎすぎすした生活から、祖母の住んでいた家にやってきた少女が出会う、色々なもの。人だけではありません。
ファンタジー色がありつつ、時にコミカル、時にシリアス、軽妙な文章で綴られていきます。
癒し系作品とでも言いましょうか。
不思議と穏やかな気持ちにしてくれます。心が温かくなります。
物語はまだまだこれからです。ぜひともこの機会に手に取ってください。
生まれて間もない時期に占い師から「偉い神様から大変な加護をいただく」と言われたにもかかわらず、何もかも平凡で平均的な主人公、里。
しかも、運が無いことに隣人の失火により住んでいたアパートが焼け、田舎にある祖母の家の管理にやってきます。
ただその田舎には不思議な神社があり、そこに足を踏み入れた里は……。
幻想的ながらもコメディタッチのところもあってほのぼのと楽しめます。
文章も非常に読みやすくやすく、田舎の描写も上手いのでスラスラと内容が頭に入ってきます。
また、里の前に現れた猫神様もユーモラスで可愛いらしい。
ほのぼのとした優しい小説をお探しの方にオススメです。
──この子は偉い神様に大変な加護をいただくことになるよ。
占い師の言葉とは裏腹に、運のない人生を送ってきた主人公里は、就職活動に失敗し、その後も散々な目にあってから、祖母が暮らしていた村へと引っ越します。
優しいご近所さんに囲まれて、今度こそ平凡で幸せなほのぼのライブを送るのかなぁと思いつつ読み進めると……徐々に不思議の気配が!
まだ途中までしか拝読できておりませんが、とにかくキャラクターが魅力的です。
里は不運な主人公といえども捻くれることなく、不幸と上手く付き合っているように見えてほっこりします。
また、どんどん現れる神様の人間じみた(というか動物じみた?)性格と、何よりビジュアルにやられました……!
あまり詳細に書いてしまうとネタバレになってしまいますので控えますが、ぜひ作品をお読みいただき、ご自身の目でお確かめください!