未来へ
Side 木里 翔太郎
あの戦いの後、暫く俺達は首都に残って災害支援活動に従事する事になった。
天王寺派の連中はほぼほぼ捕縛された。
残党化してまたやらかしそうで恐いが、それは谷村さん任せになりそうだ。
その辺り本当に頭が上がらない。
ともかく今は復旧作業だ。
祝勝会は当分お預け。
人間って奴は意外と強いもんで逆に元気付けられる場面もあった。
『なあ手毬、また今度こんな大きな戦いが起きたらどうするんだ?』
俺はパワーローダーを身に纏いながらサエに尋ねた。
サエも皆もネイキッドローダーやパワーローダーを身に纏っている。
「状況によるけど、戦うしかない時が来れば戦うは――それに、どの道今回の戦いでまた自衛隊の戦力も弱体化しちゃったワケだし、当分は私達が支えないといけないと思うわよ」
『だよな~』
サエが言うようにもう暫くは頑張らないといけないらしい。
前途多難ではあるが――希望はある。
どんな困難でも皆となら乗り越えられる。
今は何故だかそう思える。
さてと、復興作業頑張らないと――
☆
Side 荒木 将一
「何だかんだで終わったな」
「ええ、そうね」
お互いパワーローダーは脱いで梨子と二人で休憩していた。
「木里君も言ってたが、もう暫く俺達はお役目御免にはならないらしい」
「そうみたいね――まだまだ現役張らないといけないか~」
「そうだな――んじゃあもう一頑張りしますか」
「ええ」
そして俺達は再びパワーローダーを身に纏う。
戦いではなく、人々の生活を支えるため、守るためにだ。
ある意味、今が俺達一番輝いているのかもしれないな。
戦場でドンパチするよりかはよっぽどマシだ。
こんな日々が長く続きますように
☆
Side 藤崎 シノブ
『安藤さんは異世界に行かなくてもいいのか?』
復興作業に従事しながら俺は安藤 マキに尋ねた。
『一応仲間達には連絡付けてきたわ』
『そうか――』
『この国も変わったわね。まさか市民達が立ち上がるとは思わなかった』
『ああ。アレには俺も驚いた』
同時に俺達の戦いが無駄ではなかった事の証明になった。
心に来るものがあった。
この国にもああ言う素晴らしい一面があったんだなと思えた。
だからこそ、以前よりも守りたいと思えるようになった。
今ならハッキリ言える気がする。
この国は素晴らしい国だと。
☆
Side 谷村 亮太郎
天王寺家から解放された日本がこれからどうなるかは分からない。
不安も多いが希望はある。
だから信じたい。
人には希望の光があるんだと。
【少年少女のパワーローダー戦記・野望の終焉 END】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます