7-B 『呪いの絵』


「縁談相手からの贈りもので、印象的だったものはなんですか?」


 いつものように慣れた手つきで仕事をしながら、髪結いのマリーがそんなことを尋ねてきた。


 贈りもの……考えを巡らせるイヴは、すぐにあの『奇妙な絵』を頭に浮かべた。それで背筋がヒヤリとして、思わず顔を顰めてしまった。


「ベゴニアの花を抱えた女性の肖像画をいただいたことがあるわ。歪んだ構図で、紫の絵具が大量に使われていたあの絵は、見たことがないような不思議なタッチで描かれていた。無名の画家の作らしいのだけれど、なんともいえない迫力があったわね」


 ――ちなみに、ベゴニアの花言葉は『片思い』なのだそうだ。歪んだハート型の葉が、叶わぬ恋を連想させるからだろうか。


 マリーはイヴの髪の分け目を調整しながら、不思議そうに小首を傾げる。


「ですけどお嬢様の場合、教養として芸術作品を数多く鑑賞なさってきたでしょう? そんなお嬢様が『なんともいえない迫力がある』と感じたならば、もしかするとそれは名画の可能性があるのでは?」


「あの絵が名画の仲間入りをするかどうかは微妙ね」


 イヴは当時のことを振り返り、思わず苦笑いを浮かべる。


「だってあの絵が表舞台に出ることは、きっとないでしょうから」


「どういうことですか?」


「だってあれは『呪いの絵』だからよ」


 イヴが告げた物騒な言葉に、マリーは目を丸くして固まってしまった。




***




「縁談相手のその男性は、鋭い雰囲気を漂わせた方だった。目鼻立ちからして鋭角的で、痩せぎすですべてが骨ばっているのに、とても堂々としていたわね。あまりに強いエネルギーを発散しているものだから、出会った瞬間に、圧倒されるような感じがしたものだわ。彼は男性なのに髪を長く伸ばして、一部を編み込みにしていたの。都会的というよりも、なんていうか――もっとずっと尖っていて、前衛的だった」


「芸術家気質なんでしょうか?」


 マリーはゆっくりとイヴの髪を櫛けずりながら尋ねる。話を聞くになんとなく、新進気鋭の舞台演出家というイメージが湧いた。


 そういうタイプの男性は生涯独身を貫き、恋は遊びと割り切って楽しむような人が多い気もするが、元々気質は情熱的であろうから、燃え上がるような恋に落ち、あっという間に誰かと結婚してしまうこともあり得る。


「そんな感じね。けれど彼自身は絵を描いたり、楽器を演奏したり、詩を書いたりといった才能に恵まれているわけではなかった。ただそういう世界と密に関わっていたい人のようで、お見合いの場所も芸術街というか、劇場の向かいのカフェを指定してきたくらいなの。――あの日、彼は『レディ・イヴ、』貴方へのプレゼントです』と言って、大きな絵を差し出してきた。紫の絵具を多用した、不思議なポートレートだったわ。私はそれを見て、言葉を失ってしまった」


 あの絵を見た時の衝撃が蘇り、イヴは瞳をすがめていた。


 一方のマリーは、先程『呪いの絵』という禍々しい言葉を聞いたばかりなので、固唾を呑んで聞き入っている。


「私は絵を褒めようとして、なんと言っていいのやら分からなくなってしまったの。素晴らしい絵ですね――シンプルにそう褒めればよかったのかもしれないけれど、私はそれを見た時に『素晴らしい』とは思わなかった。美しくもない。タッチは奇抜で目が滑る。――では取るに足らぬ駄作か? いいえ、それも違う。すごいのは分かるの。でも好きにはなれなかった」


 イヴは何かを堪えるように、言葉を絞り出す。やはり時間が経過したあとでも、あの絵をなんと表現してよいのか分からなかった。


「結局私は、その混乱をそのまま言葉にすることにした。『とても不思議な絵ですね。奇妙な引力を感じますが、これは有名な画家の手によるものですか?』と」


「すると彼は?」


「一瞬彼が真顔になり、探るように私の様子を窺ったのが分かった。けれど彼はすぐに元の如才ない態度に戻って、『これは知人から譲り受けたものです。正直なところ、価値があるものではないのです』と答えた。三百年ほど前に夭折した画家の作で、構図や手法が先鋭的すぎて、当時は受け入れられなかったようだとつけ足してね。『きっと生まれてくるのが、数百年ばかり早すぎたのでしょう』――そんなふうに締めくくったのだけれど、その時私は彼の黒い瞳を見て、居心地の悪さを感じたの。それはなぜか? ――彼はとてもにこやかに気さくな態度を崩さず語ってくれたのだけれど、よくよく観察してみると、彼の目の奥が笑っていないことに気づいてしまったから。とにかくなんというか、とても癖の強い男性だった」


 話を聞いているうちに、マリーは段々と不安そうな顔つきになっていった。これまで話に出てきたお見合い相手たちよりも、格段に危険な相手であるような気がしたからだ。


「アルベールさんは同行されましたか?」


「ええ」


 イヴがふっと肩の力を抜き、微笑みを浮かべた。それでマリーもいくらか安心することができた。彼がそばにいたのなら、きっと大丈夫だろうと思ったのだ。


「アルベールとリーヌは目立たぬよう、少し離れた席に着いていた。こちらの様子を気にしていたアルベールが、珍しく虚を衝かれたような表情で絵を眺めていたのが印象的だったわ。それで、お相手の方とは一時間ほど過ごしたかしら。彼は本当に如才ない人物で、お喋りがとても上手でね。最近見た舞台の話であるとか、街で人気の焼き菓子の話であるとか、巧みに話題を変えては、私を楽しませてくれた。初めは少し怖い人かと思ったけれど、話すうちにだいぶ打ち解けてきて、別れる頃には、そんなに悪い人でもないのかもと思い始めたくらい」


「まさかの好感触ですね。では次に会う約束をされたのですか?」


「彼は『今度友人が舞台を演出するので、ぜひ一緒に観劇しましょう』と誘ってくれたわ」


「あらまぁ」


 マリーは意外な展開に思わず瞳を瞬いた。


「次の約束が交わされたのって、もしかして初めてではありませんか? 『呪いの絵』だとか癖のある言動だとか、滑り出しが不穏だったので、縁談が上手くいったわけがないと思い込んでしまいましたよ。いつになく順調ですよね?」


「そうかしら」


 イヴはそっと睫毛を伏せ、しっとりした笑みを浮かべた。


「私はその誘いを『いかにも社交辞令ね』と受け取ったわ。だって彼、日時を指定しなかったんだもの」


「それはでも、近くになったら正式に誘うつもりだったのでは? とりあえずまたと言っておき、後日手紙で具体的に日時調整するつもりだった、とか」


「そうねぇ」


 イヴは考えを巡らせながら続ける。


「私には彼の真意がどこにあるのか分からなかった。それよりも渡された絵のほうが気になってしまって、描かれた背景など、もう少し詳しい事情が知りたかったから、もう一度会いたいとは思ったの」


「それで二度目のデートは実現したんですか?」


 マリーは今やグイグイと前のめりになっている。イヴはその素直なリアクションが可愛らしく思えて、笑みを零した。


「別れぎわ彼に『今夜はどうされるんですか?』と尋ねると、『劇場近くの宿を取ってあるので、そこに泊まるつもりです』との答えが返ってきた。それで解散となって、そのあと私は屋敷に戻ったのだけれど、このあとにちょっとした冒険が待っていたのよ」


「なんですか? 気になります」


 マリーは『早く』というようにソワソワと体を揺らしている。


「夜も更けた頃、アルベールがこっそり外出しようとしていたので、玄関ホールの隅に身を隠していた私は、彼に素早く飛びついて捕まえたの。――アルベールはあの男性の素行調査をするつもりなのだと、私には分かっていた。だから無理やり彼について行くことにしたわ」


「アルベールさんはいい顔をしなかったでしょうねぇ」


 なぜかマリーは口をへの字にしている。――それはそうなんだけど、どうして分かったのかしら? イヴは軽く肩を竦めてみせる。


「だけどこれって、私の将来に関わる問題でしょう? なんとか彼を説得して、一緒の馬車に乗り込んだ。こういう時のために古い外套をキープしておいたから、夜の街で浮かないようにそれをちゃんと羽織ってね。――私たちは劇場の近くまで行き、中流階級の人たちが集まる人気の酒場に入った。お見合い相手の男性は上流階級に属する人間なのだけれど、『芸術家と気さくに交流する自分』が好きなのだろうとアルベールは考え、きっとこういう場所に出入りしているはずだと狙いをつけたのよ。――案の定、奥まった席に、友人と酒を酌み交わすあの方を見つけたので、私たちは気づかれないよう壁際を移動し、彼らのすぐ後ろの席に着いた」


「……お友達というのは、男性でしょうか?」


 おずおずとマリーが尋ねるので、彼女が何を危惧しているのか理解したイヴは軽く微笑んでみせた。


「ええ、男性だったわ」


「よかった、浮気じゃなかった」


 ホッとした様子で息を吐くマリーを眺めながら、彼とはおつき合いを始めてはいなかったのだから、浮気という表現もしっくりこないような気もするとイヴは考えていた。けれど論ずるべきはそこではないので、構わずに話を進める。


「ちょうど二人が今日の縁談について語り始めたので、私とアルベールは聞き耳を立てたの」


 盗み聞きは褒められた行為ではないけれど、むしろそれが目的でここまでやって来たので、イヴとしては言い訳するつもりもない。


「お友達が『見合い相手はどんな女だった?』と尋ねると、彼は『まったくタイプじゃなかった』と答えた。彼は酒を派手に煽り、『俺はなんでも言うことを聞くような、従順な女が好きなんだ。右を向けと言えば右を向き、何時間でも黙ってそのまま待っていられるような、意志のない女がいい。表情ももっといじけた感じじゃないとね』――そう言って、嘲るように笑ったのよ」


「なんとまあ」


 マリーは呆れ返った様子である。――この社会は確かに男尊女卑的な思想が根強いのだが、それは『誇り高く、紳士たらねばならぬ』という価値観が根柢にしっかりあってのことなのである。だからここまで振り切れている自分勝手な俺様タイプというのも、珍しいといえば珍しい。


 彼には嗜虐的な性癖があり、女性を支配することを好む男性なのだろう。それはまぁ第一印象から感じ取っていたことなので、イヴは正直なところ、彼の本心を聞いても驚きはしなかったのだ。


 そして世の中には、彼のような男性に強い性的興奮を覚える女性もいると聞くから、人の好みというのは千差万別、割れ鍋に綴じ蓋というやつで、まったく上手くできている。――つまるところイヴとその男性は、水と油、まるで相容れないということがこの瞬間はっきりしたわけだ。イヴとしてはこれでかえってすっきりした気持ちだった。


「さすがに都合良く、あの絵について語るなんてことはないかしら……そう考えていると、彼が得意げにこう続けたの。――『実は良いこともあってさ。我が家に代々伝わる例の呪いの絵なんだが、縁談相手の女に押しつけることに成功したんだ』――これには本当に驚いて、私は持っていたグラスを危うく倒してしまうところだったわ。アルベールがすぐに手で支えてくれたから、幸い、テーブルにぶちまけずに済んだのだけれど」


 これを聞いたマリーは顔色を悪くしている。


「その絵を渡されたお嬢様に影響はないんですか?」


「それがねぇ」


 ああ、馬鹿馬鹿しい、とイヴの眉根が寄り、どうしようもないというように口角が上がった。なんともいえぬ皮肉を含んだ表情である。


「呪いの絵といっても、『死の呪い』のような、そんな大層なものではないらしいの。彼が友人に語ったところによるとね、あの絵を持っていると、その人物がもっとも望まない相手と結婚する破目に陥るんですって。――絵のおかげで父も、祖父も、曾祖父も、まったく好みじゃない女と嫌々結婚することになったのだと、彼はこぼしていたわ」


「それって被害妄想ってやつじゃないですかぁ?」


 マリーは脱力し、半目になっている。


「そもそも『結婚は人生の墓場』と表現されることもあるくらいです。統計を取ったことはないですけども、幸せな結婚生活を送っている人間って、案外少ないかもしれないですよ? まぁ皆無とは言いませんけどね」


 若いのにずいぶんと夢のないことを言う。けれどまぁ、マリーの言いたいことも分かる。


「重要な点は、少なくとも彼はあれを『呪いの絵』だと認識していたってことね。真偽のほどは定かではないけれど、それを聞いて私はとても嫌な気持ちになったの。――だってね、彼はあの絵を燃やしてしまうことだってできたはずなのに、それをなんの恨みもない初対面の相手に、ちょっとした残酷な悪意を持って、押しつけたのよ。他人の幸せを祈るのではなく、面白半分で不幸にしてやろうと考えるなんて、悪趣味だと思ったわ」


「器の小さい男ですよね! 自分に意地悪してきたやつに呪いを押しつけた、とかならまだ分からんでもないですが、初対面のなんの罪もない相手に、ですもんね。――それでアルベールさんはどうしました?」


「彼は初め険しい顔で話を聞いていたのだけれど、途中から表情が抜け落ちてしまったの。彼が何を考えているのか分からなくて、私はかえって心配になってしまったくらい」


「確かにそれは怖いような……いやでも、徹底的にやり返して欲しいような」


 マリーの心の声が駄々洩れになっている。


「アルベールが突然『出ましょう』と言って、席を立った。彼も少し飲んでいたので、酔いが回ったのか、歩き始めてすぐに足元がふらついてね。縁談相手の男性のほうに倒れかかった時には、ヒヤリとさせられたわ。だけどまぁ、それはよくある酒場の一場面というやつで『申し訳ない』とアルベールが詫びて、話に夢中になっていた相手も軽く『ああ』と答えて顔も上げなかったので、こちらの正体がバレることもなかった。店を出るとアルベールは、懐から彼のものではない財布を魔法のように取り出して、それを道端にいた物乞いに与えたの。何か身体が温まるものでも買うようにと言ってね。そうして私をエスコートして、その場を立ち去った」


「もしかして」


 ――そう、ご推察のとおりよ。あの時、倒れかかっただけに見えたのに、相手の懐に手を入れて、気づかれることなく中のものを抜き取るなんて、熟練の技術だとイヴは思ったものだ。


「彼は意外と手癖が悪いのよ。――物乞いの人は大金の入った財布をもらって、飛び上がって喜んでいたわね。何度も何度も頭を下げて、走り去って行ったっけ」


「財布を掏(す)ってやったくらいでは、罰としては手ぬるいような気もしますね。――それでその『呪いの絵』とやらは、燃やしてしまわれたのですか?」


 もしやその絵の呪いのせいで、お嬢様の縁談がことごとく壊れているのでは? マリーはそんな危惧を抱きながら尋ねる。


「絵についてはアルベールに始末を一任したものだから、最近まで、私はすっかりそのことを忘れてしまっていたのよ。なんだか価値がある絵のような気もしたのだけれど、呪いがかかっていると聞いてしまうと、誰かに売るのも躊躇われるでしょう? けれど文化的に価値のある芸術作品だとすると、勝手に燃やしてしまうのもどうかと思うし。とにかくまぁ、彼に任せておけば、上手く取り計らってくれるでしょうと考えていたわけ」


「確かにそうですね。ですがやはりその男、憎らしいです! その後、そいつはどうしているのですか?」


「彼は理想どおりの女性に出会い、結婚したわ」


 イヴはあっけらかんとそれに答えた。


「ええ? そんなぁ! 『呪いの絵』を手放したおかげで?」


「入籍間近という噂を聞いたので、私とアルベールは例の酒場にまた行ってみることにした。すると運良くあの男性も来ていたので、私たちは気づかれないよう壁際を移動し、彼らのすぐ後ろの席に着くことができた。彼は友人に『運命の女と出会った』と語り始めてね。――どうやらその女性はとても大人しい性分で、何を飲むか希望を尋ねても、ろくに答えられないほど内気で受け身だったらしい。『顔色も青白く、好みの黒髪で、表情も陰気で、とにかくあれほど理想的な女には、これまで出会ったことがない。呪いの絵を手放したおかげだ』と彼は上機嫌だったわ」


「じゃあ、幸せに暮らしました。めでたし、めでたし、ですか?」


 マリーは鼻のつけ根に皴を寄せ、難しい顔だ。性格の悪い男が、理想の塊に出会って幸せに暮らしましたという展開は、どうにもお気に召さなかったらしい。


「ところがねぇ」


 イヴは小さく溜息を吐いて続ける。


「この結末には、どこか教訓めいた教えが込められている気がしてならないのよ。――理想どおりの相手なんてどこにもいないのだから、ある程度の妥協も必要なのだという教訓がね。実は、そのお相手の女性は、彼とのお見合いの時に酷い虫歯を患っていて、痛くて口がきけなかっただけらしくて。だから元気もなかったし、投げやりで、自主性のないタイプに見えたのですって。だけど彼女、結婚する前に痛んだ奥歯を抜いてしまったので、彼と伴侶となった時には、元気いっぱいになっていたのよ。しかもその方は一般的な女性よりもうんと嫉妬深くて、キツイ性格をしていたらしいの。男性はすぐに愛想がつきて浮気を始めたらしいのだけれど、気の強い彼女が黙ってそれを許すはずもなく」


「どうなったのですか?」


 怖いもの見たさという様子で、マリーが尋ねる。


「密会現場に単身乗り込み、妻はこん棒のような鈍器を振りかざして――」


 イヴはそれを両手で叩き下ろすジェスチャーをして見せた。マリーがひぃと震えあがる中、イヴは淡々と話を続ける。


「それは下腹部に狙いどおり打ち下ろされ、彼は二度と浮気ができない身体になったらしいわ」


「怖い!」


 マリーは本能的な恐怖を感じ、全身総毛立たせている。イヴは小さく息を吐き、話を締めくくった。


「実は二人が婚約した際に、婚約祝いとして、立派な絵画が彼の家に届けられたんだとか。匿名で送りつけられたそれは、彼行きつけの劇場とその周辺の街並みを描いた素晴らしい出来栄えの風景画で、彼は一目見てそれに惚れ込み、エントランスの一番良い場所に飾ったらしいわ。――ねぇ、ここで一つ疑問なのだけれど、絵の額縁って頻繁に交換したりはしないものよね?」


「お嬢様、何をおっしゃっているのですか?」


 唐突におかしな問いかけをされたマリーは、訳が分からなくて眉根を寄せている。そんなマリーを眺めて、イヴはくすりと笑みを漏らした。


「あら、だって、心配じゃない? ――彼が絵の額縁を取り変えようとして、工房に持ち込んでしまったら、劇場を描いたキャンバスの下に、別の古びた肖像画が隠されている事実に気づいてしまうもの」


 イヴが澄まし顔でそう答えたので、意味を理解した瞬間、マリーは青ざめてしまった。


 ――それじゃあ、『呪いの絵』というのは本物だったのね! マリーは人智を超えた存在に恐れを抱き、思わず天を仰いでしまった。




***


呪いの絵(終)

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