応援コメント

第27話 遺書」への応援コメント

  • 拝読させて頂きました🌷

    正直に言って、読んで直ぐに感想を言える作品ではありません。しかし、コメントを書かない事が私にとっての罪である、と判断したので書かせて頂きました。

    姫奈は死に憧れていた、と書いていますが同時に、龍平が普通の恋人のように姫奈を愛していたのなら死を選ばなかった、とも書いています。これが姫奈の本心であるのかは判りません。

    龍平は姫奈に振り向いて欲しくて、わざと姫奈の心を愛していると言ったのだと思いますが結果としては姫奈に絶望しか与えませんでした。しかし、これも姫奈の本心かどうかは判りません。

    これは私見になりますが、姫奈は龍平の事を愛するが故に現世から居なくなる事によって龍平の中で若くて美しいまま永遠に存在したかったのかも知れません。

    これは作者である貴方にしか判らない、いえ貴方も判っていないのかも知れません。

    作者からの返信

     ここまで読んで頂き有難うございます。
     コメントを頂きました件につきまして少しばかり解説をさせて頂きます。

     姫奈は死にも憧れていたし、愛し愛されるということにも憧れていました。

     丁度先日龍平をお供にして湯河原で芥川龍之介が夢見た死というものに触れてきた直後だったので、憧れの天秤が愛より死に大きく傾くのは自然です。
     
     つまり龍平の語る恋愛が姫奈にとってあまりにくだらなかったのです。それで姫奈は龍平の語る愛より死を優先しました。

     龍平は姫奈の姿かたちではなく心を愛していると告げましたが、それはより女を喜ばせる心づもりでの発言でした。しかし、女は喜ぶどころかくだらないと受け取り、絶望すら身に染みたのは事実であり本心です。

     姫奈は龍平を愛するが故に若くて美しいまま存在したかったわけではありません。

     女が若くて美しいままでいるのは男のあたまの中だけにとどまります。女はいつか年をとってしわが増え、醜くなるのが現実です。白髪頭を愛してくれるのなら幸せでしょうが、いつまでも過去・理想の女ばかりを愛でる男というものを気味が悪いと姫奈は実感しました。

     重ねますが姫奈はずっと愛と死というものに焦がれてきました。ずっと将来に対するただぼんやりとした不安に苛まれてきました。そんな女だったので周りには気色が悪いと思われていたので、葬式にもたった三人の友人しか駆けつけなかったのです。

     今回わたしの描く恋愛小説無題の一部にコメントを頂き誠に有難いことだと感じております。読者様の疑問にお答えすることは大切なことと認めつつ、一部ではその行為は白蛇の脚を描くような行為であると考えております。

     なぜなら本小説の主役ともいえる中馬姫奈の思想がわたしにそう思わせるからであります。姫奈は龍平になんども下らない、馬鹿であると言い渡します。それは書や人の心を読み解き、正しく解釈する能力が男に備わっていないことを非難しております。姫奈は世間に対してもっとその能力を高めるべきだと語っています。
     ですから、小説の筆者であるわたしが無粋な解説をすること自体が姫奈に責められてしまいます。
     
     姫奈が数学を愛おしむこと、それよりなお文章というものに焦がれること、芥川龍之介を慈しむすべての事柄が彼女の死の理由につながっております。

     恋愛小説無題は今時点折り返しを迎えていますが前半は中馬姫奈という知恵を持つものの描写に力を注ぎました。
     
    後半は3人の凡夫が姫奈の思想に近づく行為にスポットを当てています。

     それを納得して頂くための筆者の力だと考えますので、今後ともご愛読頂けますように努めてまいります。

    編集済