第7話:ひきこもり、初配信をする。(後編)

「ん...みんな、はじめまして。僕は白水 真白しろうず ましろよろしくね。」


《コメント》

・次はダウナー系か

・あー落ち着くー

・この声でasmrされたら死ねる自信ある

・それ

・ガチ死寝る

・死寝るww

・死寝るは草


「えーほんと?じゃあこんどやろうかなー」


《コメント》

・ありがてぇ

・ありがてぇ

・ありがてぇ

・これを活力にするか


紗月のスタイルは蒼芭や七瀬と違い、相手を元気にするのではなく

落ち着いた、心の拠り所になるようなスタイルだ。


「それじゃあ、配信タグとか決めてこっかー。」


こうして見事、紗月も無事に初配信を成功させた。


「うん...そろそろ時間だね。次の子がラスト。滅茶苦茶かわいいから期待してねー。

 おつしろー」


「え!?早坂さん!?」


紗月は最後におもいっきり紫苑にプレッシャーをかけて配信を終了した


「このままじゃだめだ。をやるしかないか...」


そう言って、紫苑は目を閉じた。そして、


「僕は紫苑じゃない、銀鏡 渚だ。僕は篝 紫苑じゃない、銀鏡 渚だ...」


そして、人格が...変わる。


「うん、いけそう。」


そういって紫苑は配信を開始する。


「みんな初めまして、銀鏡 渚だよ。よろしくね」


《コメント》

・綺麗だけど...

・くそっフードで髪型とかしかわからん!

・てか銀鏡って言った?

・夢月の妹ちゃん!?

・マ!?

・それにしても勿体ないないいイラストなのに...

・フードさえ、フードさえなければ...


「ああ、フードね。とれるけど。とってほしい?」


《コメント》

・とってください!

・とってください!

・お願いします!

・こいつらプライドないんか?

・プライドより!

・見たいものが!

・ここにある!

・↑仲良しかよww


「しょーがないなー、特別だよ?」


《コメント》

・やべぇドキッとした

・これが...恋か?

・即堕ちすんなww

・ちょっとエロくなかった?

・わかる、小悪魔っぽさがあった


そういって紫苑は差分からフードをとる。


「はい、とったよ?嬉しい?」


とった瞬間コメントの気配が変わった


《コメント》

・え?

・え?

・え?

・神か?

・やっべぇ立ち絵神過ぎるww

・うっま

・誰描いたのこれ上手すぎる


「僕ねーママがいないんだー。」


ここでのママはイラストレーターである。


《コメント》

・いないってどゆこと?

・こんな上手いのにいないはおかしくね?

・公式が作ったってこと?


「違うよー。僕は自分で僕を作ったのー」


《コメント》

・は!?

・マジで!?

・才能の権化ww

・昔活動してたとか?


「そうそう、昔はねーイラストレーターしてたんだよねー。

 その時は天音って名前で活動してたけど。」


《コメント》

・今なんて!?

・天音!?

・ガチ勢じゃん!

・そら自分で作るわww

・他人に頼むより自分で描いた方がイメージ通りだしな

・天音は草

・流石に誰も勝てねぇww

・でもなんで描くのやめちゃったの?あんなに上手いのに...

・それ

・イラストレーター界隈屈指の謎


「理由...ね、あの頃は僕が弱かったからかな...」


《コメント》

・弱かった?

・精神的にってこと?


「うん、みんなの期待に答えられるか心配になって、怖くなって

 逃げ出したんだ...あの頃の僕は本当に弱かった。」


《コメント》

・なるほどな...

・確かにあの時の本人のプレッシャーはヤバかったと思う。

・周りの奴らが才能の芽を摘んじまったってことだな...


「こんな話やめて配信タグ決めよ!どんなのがいいと思う?」


《コメント》

・せやな!

・こうやってvtuberになったし!

・万々歳だ!

・ポジティブにとらえよう!

・なにがいいんだろ...

・妹ちゃん動くとかは?

・うーん夢月の妹感押し過ぎでは?

・渚の私室!

・徹〇の部屋かよww

・徹〇の部屋ww

・鏡花水月

・その心は?

・鏡が付いてるのと渚から水が連想できること。

 俺たちじゃ手に届かないぐらいかわいいことから

・採用ww

・儚い幻()やん


「鏡花水月ー?うん、僕もかっこよくて好きだな。それにしようか。

 ファンネームはどうするー?」


《コメント》

・渚ちゃん若干厨二か?w

・鏡の民

・パクんなww

・それ夢月のファンネームww

・渚を言い換えて水際民とか?

・常にピンチそうww

・常にピンチのファンww


「面白いねそれ!それでいこっか!水際民!」


《コメント》

・決定ww

・それでいいのかww


「じゃあ僕のニックネームは?」


《コメント》

・ニックネーム...

・いいのが浮かばん

・どうしよ...

・なぎちゃ

・なぎ...ちゃ?

・それだぁぁぁぁ!

・なんかゆるいけどそれがいいw


「わかったじゃあみんなは僕の事なぎちゃって読んでね!」


《コメント》

・わかった

・なぎちゃな

・なぎちゃー

・なぎちゃー


「ふふっ。最後に挨拶!どーする?」


《コメント》

・おつなぎとか?

・おつねこおるで

・同期で似てるのはなぁー

・バイバイ

・ドシンプルww

・曲げる努力をしろww

・ばいちゃー

・なんか意味違くねw

・愛称がw


「んーそれでいっか!それじゃあばいちゃー」


《コメント》

・ばいちゃー

・ばいちゃー

・ばいちゃー

・ばいちゃー


紫苑は配信を終了させる。その後、思い切りベッドに飛び込む。


「あああああつっかれたぁぁぁぁ!!」


紫苑は自分自身に暗示をかけることができ、最高半日ほどは自分を思った通りの

性格にすることができるのだ。ただしその分暗示を解いた後の疲労感は

尋常でないのだが。それでも半日ほどできるのは彼の才能だろう。


「もう、今日は動けそうにないや...寝よ...」


紫苑は多大な疲労感の中夢の世界に落ちていった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

3話は...疲れた...


最後までご覧いただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語のおかしなところがあれば、

ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

ブックマークや評価をつけてくださると嬉しいです!

それではまた次の話でお会いしましょう。



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