「まちプロ」始めました。

 勉強が一区切りしたので、そのまま自室の机に座りながら、楓と約束をした「まちプロ」を読む。


 まちプロのヒロインの七瀬クロエは金髪、ロリ、巨乳の美少女だ。こんな子がある日突然義妹になるなんて俺にしたら異世界転生するよりもファンタジーだと思う。


「兄さん、妹の素晴らしさがわかってきましたか」


「うわぁっ」


突然後ろから声を掛けられて思わず声を出して驚いてしまう。


「楓が声を掛けたくらいでそんなに悶えなくてもいいじゃないですか」


「悶えてないから! 驚いただけだから! それより、俺の部屋に入るときはノックをしてくれ」


「そう言われましても楓はずっとこの部屋にいて、兄さんの布団にくるまっていましたから」


 やめて、ほんと怖い。気配を消して俺の布団にくるまっているなんて。


 もはやこの家に俺の心の休まる場所はないかもしれない。


「そういう、変態ぽいことはやめなさい」


「兄さんの布団にちょっとだけくるまっていることはそんなに変態でしょうか」


「無罪を主張するように言っているけど、十分変態だから」


「楓のしたことなんてまちプロでクロエちゃんがしたことにくらべれば……」


「あっちはフィクションだから。それより早く俺の部屋から出ていってくれよ」


 楓ははーいとしょんぼりした返事をすると素直に出ていった。


 少しきつく言いすぎただろうか。でも、いつまでも俺にべったりでは困るというものだ。


 気を取り直してまちプロを読み直そうとして気がついた。


 楓のやつ俺の枕を持っていきやがった。


 急いで楓の後を追うべく部屋を出た。まちプロの続きを読むのはまだ先になりそうだ。


ー ー ー ー

ということで、まちプロのお試し短編ができました。まだ読んでいない方は是非一読を!

https://kakuyomu.jp/works/16817330661030782165

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【短編版】脇役に成り下がった俺の青春リベンジをS級少女たちが邪魔してくる件 浮葉まゆ@カクヨムコン特別賞受賞 @mayu-ukiha2

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