第4話 新たな挑戦

 前回の反省を踏まえて宣伝しまくった結果、『中華風おやじ』は500冊完売!







 とはいかず、前回とほぼ同じ200冊程度の売り上げにとどまりました。

 

「だから言ったでしょう。私が指摘したところを素直に修正していれば、もう少し売り上げは伸びたんですよ」


 200冊分の印税を中々払ってくれなかったので、そのことを催促しようと出版社に電話を掛けると、田中さんに嫌味たらしく言われました。


「田中さんの言う通りにしていたら、もっと売れてませんでしたよ。ほんと、言うことを聞かなくて正解でした。はははっ!」


 私は彼の言葉を真正面から受け止め、何倍にもして投げ返してやりました。

 笑いのセンスがまったくない彼は、気の利いた返しもできず、「では、来週振り込んでおきます」と言うのが精一杯でした。


「これに懲りて、私はもう二度と自費出版はしません。なので、田中さんと関わるのもこれが最後となりますが、今後は専門外のことはあまり口出しせず、本業の方にもっと力を入れてください」


 私は、それまで溜まっていた田中さんへの不満を吐き出せたことで、とてもスッキリした気持ちになりました。


 その後しばらくして、私はネット小説の存在を知り、書き易さの点からカクヨムに登録しました。

 最初の頃はPVがまったく伸びませんでしたが、やっていくうちにブログと同じように徐々にフォロワーが増えていき、コメントや評価もたくさんもらえるようになりました。


 現在の私は、カクヨムで小説やエッセイを書く傍ら、映画やドラマ脚本の公募にも挑戦しています。

 脚本は小説とはまた違う魅力があるので、半分楽しみながら書いています。

 私の書いた小説や脚本がいつか日の目を見ることをモチベーションに、これからも頑張っていく所存です。


  了

 

 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

しがない中年男の無謀な挑戦 丸子稔 @kyuukomu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ