教習番号⑤駐射場〜車の陰に潜むのは〜


 車に乗ることは便利な反面、危険がいっぱいだ。


 例えば、駐車場。気をつけなければならない。横の車の中からスナイパーが息を潜めているのだ。初心者はだいたい後ろも確認せずに車を降りようとする。そうなるとどうなるか。わかるだろう。横の車からズババと銃撃をくらって終わりだ。


 スナイパーがいなければ大丈夫だ。降りていい。しっかし、ここには大量の車が存在する。駐車場だから当たり前だって? バカを言え。ここにいったい何台の爆弾車が紛れていると思ってるんだ? スナイパーを気にしすぎて車の後ろを通れば、センサーが作動して車ごとドカーンだ。

 さあ、用心して進むんだ。おっと危ない。車が急発進したぞ。ここはちょっと待つんだ。発進すると見せかけてバックで轢き殺されるかもしれないぞ。ふう、過ぎ去っていった。

 さあ道路を渡って、進んでいこう。そこに斜線があるだろう。これは仲間が事前に引いてくれたものだ。こら入るんじゃない。そこは入ってはいけないという意味だ。せっかくの苦労が台無しになるだろう。ここを通過すれば目的地のサービスエリアだ。本当危険だらけでどこが休憩所なんだかって感じだぜ。

 おいおい、渡るときはちゃんと車が来てないか確認しろよ。それはさすがにキミもするだろう?


 ふう、なんとか用を足すことができたな。え? ここはビビらないのかって? 個室に入れば安心だからな。


 



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