教習番号④給油〜食事中も気は抜けない〜


 車に乗ることは便利な反面、危険がいっぱいだ。


 例えば、給油。ガソリンスタンドが無ければ車は生きていけない。つまり絶対に寄らざるを得ない。そこに敵が忍び寄ってくるんだ。じゃあ他の車にすればいいって? 最近では悪の組織が電気で動く車を販売しているそうだが俺は絶対に乗らない。なんでかって? 当たり前だろ、乗った瞬間電流が流れて骨にされちまうに決まってるからな!


 さあ、ガソリンスタンドにやってきたぞ。看板にある数字見たか? 最近だいぶ値上がりしたよな。このまま値上がりするか人類が滅亡するか、どっちが先だと思う? 今それどころじゃないって?


 結構空いているな。おいおい、人のいる方に行くな。セルフだ。セルフスタンドに行け。そんな敵か味方かわからんやつにガソリンを入れさせるな。わざと間違った種類を入れられたらもうこの車動かないぞ!


 そうだ、停車して。さあ車を出て。後ろに開ける場所があるんだ。よし、画面をタップするんだ。レギュラーだぞ。間違うなよ。満タンでいい。もしかしたら溢れてくるかもしれないが……。そのときは一緒に逃げような。静電気を除去して。さあ差し込んで。いやちょっと待て。周りを見渡してみよう。向こうで給油してるやつはこっちを見てない。歩道にも誰も歩いてない。洗車ゾーンは? 誰もいない。大丈夫だな。よし、安全だ。さあ、車よ! 食事の時間だ。


 ふう、疲れるな。あれ俺だけ?








 

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