デッド・オブ・ドライバーズナビ〜死の途上教習〜

ケーエス

はじめに


hello! 今日から教官を務めるディーラだ。よろしく。これから車の教習を受けてもらう前に基本中の基本を教えておこう。


 車を運転しているヤツはバカ!


 これに尽きる。あんな鉄の塊を時速60kmで飛ばしてるんだぜ。轢かれたら終わりだ。あんなのただの危険物だろ。しかもこんな物騒な世の中だろ。ながら運転、飲酒運転、前のやつ、後ろのやつがどんなサイコ運転をしているかわからない。なのになんでみんな平気で乗るんだ? 正直俺はプライベートではあんまり乗らないね。

 

 ま、どうしても乗りたいっていうなら教えよう。確かに便利ではあるからな。


 重要!運転の三要素!

「認知」「判断」「操作」

 

 では実際に車に乗って確かめてみよう。まず、目の前の敵を「認知」すること。片側二車線の道路だ。前にいくつ車がある? そうだ、4つだな。そのさらに向こうには何がある? そうだ。信号だ。歩行者用の信号を見てくれ。青が点滅しているだろう。ということは? そうだ、この信号は黄色になって赤になる。黄色は停止線で止まらなくちゃいけない。止まれなかったら仕方ないけどな。


 さあ、ここで気をつけなきゃならない。じゃあこのまま止まっていいのか。その「判断」でいいか? さっき言ったよな。敵を「認知」すること。仮に前の車が止まり切れずそのまま進んでいった場合、我々が停止線で止まることになる。でも見て見ろ、バックミラーにはバカでかいトラックがギリギリまで迫ってきてる。もし、停止したらどうなる? 後ろの敵にまんまと追突され、即地獄行きだぜ!


 よし、じゃあいってみよう! 歩行者信号が赤になった。4台は進む。信号は……?

 青!じゃあ行こう! ハンドル「操作」はそのまま! 後ろの車は止まったな。なんだ心配する必要はなかったって? まあ今回は信号が味方してくれたはくれたな。でもな、たまーに奴らが信号を操作しているときもあるからな。朝方とか夕方とかは気をつけろよ!


 あのときもそうだったのかな。ん、なんでもない。よし、次行こう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る