第10話 西宮 豪②

 それからしばらくして、香帆が久しぶりに実家へと赴いた。

その日は琴美の婚約者である真人も顔合わせの目的で琴美と香帆の実家に足を運んでいたみたいだな。

肝心の香帆はというと、上手いこと実家に潜り込めたみたいだ。

香帆からの連絡によると、琴美達は渋っていたみたいだが、真人が快く迎え入れたという。

結果的に真人は俺が琴美を犯す手助けをしてくれた……礼を言うぜ?

おかげで楽に琴美に近づけるんだからな。


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 その夜、俺はあいつらの実家近くにある喫茶店で時間を潰しつつ、香帆からの連絡を待っていた。

香帆には強力な媚薬を持たせている。

それを琴美に飲ませた後、香帆が俺を実家に招き入れる手配だ。

香帆が言うには、琴美は貞操観念が固い上に、頭が乙女全開なんだと。

衝動的に湧き出た性欲のために真人との大切な初夜を無駄にすることはできないだろう。

となれば、自分で発散させるしかない。

そういう場合、大抵の人間は1人になれる場所を選ぶ。

相場は自室か風呂場辺りが妥当だろうな。

自室はきついが、風呂場なら人目に入らず裏口から行くことができる。


『琴美が風呂に入った。 媚薬も飲んだみたい』


「わかった、すぐに行く」


 香帆の連絡が届いた直後、俺はすぐあいつらの実家まで駆け出した。


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 女優の実家というだけあって、玄関と裏口には防犯カメラはついている。

だが所詮、ボロ家に取り付けただけの付け焼刃。

俺が外からドアを開けば姿が映ってしまうが、香帆が中からドアを開けばドアが死角になるため、映る心配はない。


「やっとか……待ちくたびれたぜ」


 香帆からの手引きで俺は裏口から中に入り、そのまま風呂場へと向かう。

風呂場では声を押し殺した琴美が1人で発散している。

もうそれだけで俺のエモノもギンギンになる。


「香帆。 見張り頼むよ」


「うん、楽しんできて」


 香帆を見張りに立たせ、俺はスマホを片手に風呂場に突入した。

もちろん全裸でな?


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「よぉ! 楽しんでるか?」


「キャッ!! なっ何!? なんなのあなた!? 出て行って!!


 風呂場に入った俺の視界に映ったのは、自分の下腹部を慣れない手でさする全裸の琴美。


「溜まってんだろ? 俺が婚約者の代わりに気持ちよくしてやるよ」


「ふっふざけないでっ! 警察を呼ぶわよ!?」

 

「そんな冷たいこと言うなよ。 1人でヤルより、俺のエモノでする方が数百倍気持ちいいぜ?」


「!!!」


 俺は興奮しきったエモノを琴美に見せつける。

男のモノを初めてみたいだな。

恐怖からか俺のが立派すぎたのか……琴美は目を見開き、硬直して動かなくなった。

まあどっちにしても、抵抗しないことに変わりはない。


「たっぷりと可愛がってやるよ」


 俺は琴美が我に返る前に彼女に覆いかぶさり、その芸術品とも言える美しい体でエモノを慰め始める。

「!!! いやっ!離してっ!!」


 途中、我に返った琴美が抵抗してくるが、女の細腕で鍛えた俺の腕力に叶う訳がない。


「暴れんなんじゃねぇ! 騒ぐなっ! うるせぇんだよ!」


 俺がそう言っても琴美は抵抗をやめない。

マジでこいつの思考回路が理解できない。

俺のような良い男がタダでヤってやるんだぜ?

女なら喜んで股を開くのが普通だろ?


「うるせぇってのが聞こえねぇのか!」


 面倒になった俺は琴美の顔を湯船の中に押し付けてやった。

琴美は湯船の中で泡を立て、必死に顔を上げようともがくがそれは俺が許さなかった。

もちろん殺す気はない。

ちょっと脅すだけだ。

ボコって言う事を聞かせることだってできたが、俺は優しい男だからな。

人気女優様の顔に傷なんてつけるわけにはいかない。


「げほっ! げほっ!」


 数秒押し付けた後、俺は手を離してやった。

琴美は咳込み、お湯か涙かわからない液体で顔がぐちゃぐちゃになっている。

美人のこういう表情はいつ見てもそそるぜ。


「おい、俺に体を差し出せ? でないとマジで次は殺すぞ?」


「あ……う……」


 俺の”誠意”が届いたようで、ようやく琴美は素直になった。

ったく! 最初から大人しくしておけば、そんな目に合わずに済んだっていうのに……バカな女だ。


「おっお願い……初めては真人って決めているの……お願いだから……」


 琴美の初めてを奪おうと俺は体制を整えた。

今すぐにでもブチ込みたいが、相手は人気女優の佐山琴美だ。 

じっくり味合わないとな?

だが琴美は頑なに俺を拒んだ。

抵抗はしないのかできないのか、大人しくしてはいる。

だが、涙ながらに初めては真人に捧げたいとほざきやがる。

琴美みたいな美人の初めては、俺のような最高の男にもらわれてこそ価値がある。

あんな陰キャ野郎に琴美の初めてを奪う資格はねぇ。


「あんな陰キャ童貞が、俺の味を知ったお前を満足させられる訳ねぇんだよ!」


「いっいやぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 俺は琴美の初めてを貫いた。

さすがは人気女優様だ、体も最高だぜ!!


「あんなクソ童貞なんて捨てて、俺のものになれよ?

そしたら、毎日可愛がってやるぜ?」


 行為の最中、俺は琴美の心を快楽で奪おうとした。

大抵の女は俺と体を重ねたことで、俺との快楽に溺れ、股と心を開く。


「まさと……ごめんなさい……」


 だが琴美は返事もせず、懺悔するかのように泣きながら真人に謝り続けた。

俺の善意を無視するとは生意気な女だ。

女優だからって、調子に乗ってんじゃねぇぞ!


※※※


 琴美を犯して1時間弱……。

琴美は死んじまったように、目が虚ろになってぐったりしてやがる。

俺としたのがよっぽど気持ち良かったんだろうな。

俺は口止めと次回のネタの意味も込めて、琴美のあられもない姿をスマホに収めた。

無論、行為中の動画も撮っている。

女優というでかい肩書きを持った女だ。

人一倍、世間体には敏感なはず。

まして、婚約者以外の男に初夜を捧げたなんて、マスコミからしたら喉から手が出るほどほしいネタだろうぜ?


「まあ、今後も仲良くしようぜ? 琴美ちゃん」


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 それからと言うもの、琴美は俺の性欲を満たす奴隷と化した。

いつでもどこでも、琴美は電話1本で俺に抱かれに来る。

後々面倒なことにならないよう携帯は使わず、命令は全て公衆電話で行った。

世間の評価もあるが、それ以上に婚約者の真人が離れて行くことが死ぬほど怖いんだろうな。

あんな金しか取り柄のない男に、そんな価値があるとは思えねぇけどな?


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「えっ!?」


 琴美を犯した日から数ヶ月の時間が過ぎた日の午後。

テレビを見ていてた俺の目に、速報が飛び込んできた。

それは”人気女優 佐山 琴美 死去”というシンプルな内容。


「マジかよ……」


 俺は頭を抱えちまった。

琴美が抱けなくなるのは、惜しいが代わりはいくらでもいる。

それより俺が気になっていたのが、俺と琴美の関係が明るみになること。

親父の力があれば、揉み消せるとはいえ、面倒事はないに越したことはないだろ?

ラッキーなことに、その件が表沙汰になることはなかった。

まあ、琴美を抱くのにも飽きが出てきたから、ちょうどいいや。

……というのも、今まで何人も女を寝取ったせいか、俺は寝取るという行為に物足りなさを感じていた。

バカな男共から女を奪うことで男として勝っていると感じ、その刺激が俺を狂わせ、興奮を高ぶらせる。

だがどんなに良い刺激でも、同じことを何度も繰り返しているとさらなる刺激がほしくなる。


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 ある日の夜、俺は実家で中学時代からの親友である智樹(ともき)と飲んでいた。

飲むのはいいが、酒が回ってきた智樹が愚痴りたした。


「この前喰った女が俺のガキを孕みやがってよ?……堕ろせって何度言っても、生みたいって言って聞かないんだぜ? 体の相性はいいがウゼェよ……」


 智樹は容姿が良く一流大学を出ている。

しかも親が大きな不動産会社の社長の坊ちゃんで俺と同じ女を寝取るのが趣味。

まあ俺ほどじゃないが、俺が対等に扱うことができるただ1人の親友。


「面倒な女を喰ったな……」


「しかもその女、既婚者でさ?

旦那じゃ満足できないって言うから相手してやったのに……勝手に妊娠しやがって……旦那にバレたらめんどくせぇことになっちまう……ほんといい迷惑だよ」


「じゃあどうするんだ? その女と結婚でもするのか?」


「ば~か! 俺がそんなことする訳ねぇだろ? ガキなんて女の旦那に押し付けてやったよ。 もちろん本人は自分の子供だと思っているだろうけどな」


「それって托卵って奴? アハハハ! ひでぇ~……」


「ひでぇのは女房1人満足させられない旦那の方だろ? 俺が満足させてやってんだから、ガキの面倒くらい見たって罰は当たらないだろ?」


「まあそれもそうだな……」


 托卵か……今まで女を孕ませちまったことはあるが、面倒事にならないよう全部堕ろさせていた。

その方がリスクが少ないし、養育費だのなんだの面倒事にまきこまれないで済む。

托卵はバレた時のリスクが高いが、その分強い刺激がある。

俺のガキとは知らず、我が子として可愛がる旦那……その裏で女房を俺が抱く……想像しただけで興奮してきやがった……。


「なあ智樹、ちょっとしたゲームを思いついたんだ。 乗るか?」


「ゲーム?」


 ただ単に托卵するだけじゃ面白くない。

俺はゲーム感覚で智樹を誘うことにした。

ゲームと言っても単純明快なものだけどな?

まずプレイヤーが適当に旦那のいる女や結婚間近の女を孕ませ、ガキを生ませる。

そのガキを旦那の子供として育てさせ、1年バレなければそのプレイヤーにほかのプレイヤーが100のボーナスを出す。

バレたら旦那に訴えられて慰謝料を払う羽目になるが、俺や智樹レベルの金持ちなら問題ない……面倒ではあるがな。


「へぇ~面白そうだな! よし乗った!」


「そうこなくちゃな!」


「おしっ! どうせならもう少し仲間を増やそうぜ!」


「そうだな!」


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 後日、俺と智樹はゲーム参加者を募り、数人の男友達が集まった。

無論こいつらも智樹レベルの上流国民だ。

俺達は智樹のマンションに集まり、プレイヤーたちとゲームの最終的な打ち合わせを行うことにした。


「まさか親父までゲームに参加するとは思わなかったぜ」


 俺が声を掛けたのは、俺の親父である拓郎。

たまたまゲームのことを言ったら、親父も参加を希望してきた。

理由は単純に、ストレス解消。

親父はギャンブルが好きだから、こういう賭け事には目がない。

既婚者を孕ませるということは親父はダブル不倫になる。

だが親父の力ならもみ消しなんて簡単だ。

お袋を裏切る形になるが、親父はもう何年も前から何人もの女を不倫している。

かつては結婚したいと思えるほどの美人だったお袋だが、歳を喰いまくった今では化粧が濃いだけのババァだ。

まあお袋の方も、若い男と不倫している。

まあ50近い中古ババァに近づく目的なんて100パーセント金だがな。


「最近は何かと忙しくてな。 何か良いストレス解消法を探していた所だ」


 集まったプレイヤーは俺含めてみんな20代。

若さ・財力・容姿・口の上手さ・ベッドでのテクニック……女を釣るには最低限これらの要素が必要になる。

親父は40歳だが、容姿はかなり若い方だから問題はない。

その他の要素もはっきり言って俺以上かもしれない。


※※※


「じゃあ俺は、この前喰った女とその旦那を駒にするから」


 ゲームの駒……つまり、孕ませる女とその旦那をそれぞれ発表する。

智樹はこの間の愚痴っていた女を駒にするみたいだ。


「豪はどうするんだ?」


「俺は香帆にしようかな……」


「それってお前が飼っている女のことか?」


「あぁ。 あいつは俺の命令ならなんでも聞く……いわば奴隷だ。 駒にはうってつけな人材だろ?」


「長年飼ってる女にひでぇ言いようだな」


「これでも評価してるつもりだぜ?

信用できなければ、ゲームの駒なんかするかよ!

香帆は俺を裏切ることはできない……絶対に」


 香帆は俺を心から愛している……というより依存している。

俺がいなければ、あいつはもう生きることさえできなくなる。

香帆にとっての居場所は俺だけ……だからこそ信用できる。

まあ俺の方は香帆に対して愛情なんて欠片も持ち合わせていないがな。


「でも女は良いとして、旦那はどうするんだ?」


「ちょうど駒になりそうなのがいるから、香帆にアプローチを掛けさせてみる」


「わかった」


 俺が駒として頭に浮かんでいるのは、琴美の婚約者だった真人。

あいつは琴美を失ったことで、失意のどん底に落ちている。

絶望して孤独になっている人間を落とすことほど簡単なことはない。

香帆がその良い例だな。

まあ代用品なんて腐るほどあるから、使えなくても良いがな。


「さてと……それじゃあ早速、香帆に動いてもらうとするか」



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 この日からしばらくして、香帆は真人を少しずつ堕としていき……数年後には結婚までこじつけることができた。


「よくやったな。 さすがは俺の香帆だ」


 この日、俺は香帆を孕ませるために真人と香帆の家を訪ねていた。

真人は医者になり、父親の病院で働いている。

医者ってのは忙しい身分なようで、残業や泊まりが多い。

そのおかげで俺も堂々と夫婦の寝室で新妻となった香帆を抱くことができる。


「あんな童貞を堕とすくらい楽勝だよ。 ちょっと優しくしてやれば案外簡単だったよ。

でもやっぱり……あんなのと夫婦生活を送るのは苦痛だよ。

特に夜なんて最悪。

テクニックなんて皆無だし、あっちも激早で極小!

1人でヤル方が100倍マシなレベル」


「アハハハ!! そういうなって、あいつお前以外女を知らないんだろ?」


「だからって限度があるわ。 ストレスで死にそう~……」


「そういうなって。 こうして俺が愛に来てやってるんだからさ」


「ふふ……そうだね。 じゃあ今日は一杯豪に可愛がってもらうからね!」


「任せとけって」


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 香帆と真人が結婚してから何年か経ち、香帆は無事にガキを生んだ。

もちろん父親は俺だ。

これでようやくゲームの舞台が整った。

香帆を嫁にくれてやってるんだ……せいぜいゲームの駒として働いてくれよ?真人。

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