第4話 後日

「いやぁ、大変だったな昨日は……」

「もう……何なんですかトイレの反乱って……」

「馬級牟さんはトイレ・最臭戦争アルマゲドンだなんて叫んでたが……二度とごめん被りたいよ……はぁ……」


 次の日の朝、区役所に出勤した戸入は、平と先日の苦労をこぼし合った。


「そういや馬級牟さんはあの後どうしたんですか? 歩いてるだけで逮捕されそうに見えるんですけど……」

「ああ……息子への誕生日プレゼントを買いに家電量販店に行ったそうだよ」

「えっ、あのヘンタイにお子さんいるんですか!?」

 

 驚きから、戸入は素っ頓狂な声を上げてしまった。


「すんごい美人の嫁さんと、これまたかわいらしい息子さんがいるよ。正直、私も信じられなかったんだが……」

「へぇ~……蓼食う虫も好き好きってこのことなんですかね」


 そう言って、戸入は水筒の茶を一口飲んだ。


 ……そのときだった。何だか香ばしいニオイが、どこからともなく漂ってきた。そのニオイの正体に、戸入はすぐに気づいた。


「た、大変だぁ! 一階のトイレから汚い水が!」


 ブリブリブリブリブブブブブゥゥゥ! ブリリリリッ! ブッチチッ! ブリブリブリブリブリブリッ!!!!!!!!!!


 別部署の職員の叫びと入れ替わるように、一階奥のトイレから、今一番聞きたくなかった音声が大音量で響いてきた。

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トイレ・ヘソマゲドン 武州人也 @hagachi-hm

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