第5話

 冬。この高校は、全学年に修学旅行がある。

「天音さん、天音さん」

 一日目の夜、旅館の女子の部屋。


「はい、何でしょう?」

「天音さんて、好きな人は居る?」

「好きな人ですか…」

「そうそう!やっぱり、は、好きな人とがいいよねって話してて」


「だよねー!天音さん、可愛いからモテそう!」

「えぇ!?私何て全然ですよ」


 丘白波羅は、目をそらした。


 初めては…色仕掛けを使った暗殺任務だった、名前も知らないおじさんとだなんて、絶対に言えない。


 気まずそうな丘白波羅を見て、少女たちは次々に謝りだした。


「なっ、何で謝るんですか!?えっ?」

 丘白波羅は、よく分かっていなかった。

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暗殺少女は口を塞いで 伊織悠希 @ioriyuuki

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