5話 他校の能力者

 いきなり他校の能力者が来てしまった。


「あんたが一番強い能力者だな?」


「おまえも超能力者なのか?」


「俺が相手になろう」


 莉生君が勝負を受けるそうだ。


「俺の名前は安藤神羅(あんどうしんら)だ」


「何の能力者だ?」


「内緒だ」


 だがテレパシー能力の夢さんにはばれている様だ。


(どうやら過剰なる破壊者という能力名らしいですよ)


(夢さんテレパシーで能力名を伝えている!?)


 過剰なる破壊者。


 どういう能力だろう?


「破壊玉!!!」



 放たれた崩壊の玉はコンクリートを破壊した。


 やべえ強いぞこいつ。


 俺も加勢する。重力を操る。


 重い石をぶつける。


「破壊の腕!!」


 石が崩壊する。


「破壊の玉!!」


 かなり出鱈目な力のようだ。


 だが先生が来て拳骨を繰り出してしまい喧嘩は終わる。


「喧嘩はあかんだろ君たち」


 シンラ君の先生らしい。


 どうも能力者っぽい。


「ああそうだ僕も超能力者だ」


「拳骨の力を最大限に上げる能力だよ」


「なんだそれ強そう」


「意外と便利だぞ」


 そうしてシンラ君は神導先生と共に帰っていった。



 そして神導先生はある提案をした。


 特殊超能力ゲームバトル動画を取らないか? と。


 動画をヤ―チューブに上げるらしい。

 それを稼ぎにするとか。


 神導先生は地味な能力だからあまりやりたがらなかったが、破壊能力のシンラ君は目立つ。


 僕と石の打ち合いの動画は100万回再生を突破した。たった3日で。


 そしてコアダンジョンへの潜入動画も撮ることにした。


「神導先生はなかなかに戦闘力があるようですね」


「拳骨に極振りしている結果だね」


「破壊の能力も便利だぜ!」


 ゴブリンたちが粉みじんになる。


 今のところスライムも出てきている。


 ゴブリンは弱い。


 夢さんのエスパー空手で死ぬのだから。


 夢さんはほんのりと拳に超能素という物質を意識して載せていると言っていた。


 超能素とは超能力の発現の時に発せられる異常物質のことだとか。


 夢さん曰くそれがあると超能力を意識的に書き換えることができるとか。


 夢さんの空手がキーパーソンらしい。


 空手が能力の発動媒体になっているとか。


 テルミさんの熱弾もかなり出鱈目だ。


 神導先生は拳骨能力が謎だ。


 ようするにパンチ力が上がるのかと思うが、そうじゃないらしい。


 拳骨を打ち込む瞬間だけ攻撃力が上がるとか。


 シンラ君も過剰なる破壊者と中二病的なネーミングセンスだ。


 だがそれだけ普通じゃない有利なルールを持って儚い夢を持つ人もいるらしい。

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