続 オレンジ色した君と僕

さりげなく その手を 

掴もうとした 

おどろく君が その手を 

背中に 隠したものだから

僕は その手を 引き寄せた


僕を 見上げる 

そのくちびるに 

君へ くちびる 

そっと重ねる


僕らは ときを越えた


若葉の恋は 青葉に色づく

のびた茎は 君へと絡まる


君が 息をとめる 奥乃薗おくのその

僕は ゆびを 忍ばせる

柔らかな 感触に

君は目を 閉じるから 

僕のゆびさき 蜜を感じた


逡巡しゅんじゅんの 時間ときを超え

逢瀬おおせの 道ならぬ 恋へ

落ちた ふたり


戻らない つもりで

手にした 切符を握りしめ

先の見えない 地の果てを めざす


これが 僕たちの 運命さだめ

出会ってしまった 宿命しゅくめい


熟年色オレンジいろした君と僕

僕は最期の時まで

君のこの手を離さない


















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