第4話:情報量過多

12/24 諸事情で夏樹のネット上の活動名をサンマ→Natsuに変更しました。

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 「うぅ・・・朝から酷い目にあった・・・」


 「健也ちゃんも気持ち良かったでしょう?」


 「そうそう、涙目になってる健也可愛かったわよ、ププッ!」


 姉とのエッチは昼前まで続いた。朝食だってヤリながらだったし、もう疲れすぎて何も言い返す気になれない。

 そしてなぜか夏樹姉さんと秋姉さんの裸を見た罪で今日一日異能を解くことを禁止されたため、今は秋姉が持って来たワンピースを着せられてる。あ、普通のやつね。なぜかサイズぴったしだけど、気にしてはいけない。


——ピーンポーン


 ソファでぐったりしてると、家のチャイムがなる。夏樹姉さんが対応しにいき、帰ってくると大きな段ボールを抱えていた。


 「あ、夏樹姉さん大丈夫?持つよ?」


 「あらあら、気にしなくていいわよ。見た目ほど重くないから気にしないでいいわ。ゆっくりしてなさい」


 「そう?」


 とのことなので、お言葉に甘えてソファでぐったりする。そうしていると再びチャイムがなる。いつの間にか秋姉が出前を頼んでいたようで、玄関から戻ってくると手に寿司を持っていた。


 「秋姉、今日の昼ご飯?」


 「そうよ。4人前あるから沢山食べなさい」


 「何々?どうしたの秋姉?何か変なnぶへっ!?何すんの!?」


 「あらあら、秋ちゃん?箸は投げるものじゃないのよ?」


 ちょっと揶揄っただけなのに箸投げてくるとか酷い。夏樹姉さんは相変わらずマイペースだし。そんなことがありながらも、何だかんだで同じ席について寿司を食べる俺たち。


 「そういや二人とも何で帰ってきたの?」


 「あら?私伝えなかったかしら?大学卒業したからそろそろ帰るわって」


 「えっ!?連絡貰ってないよ?」


 「あら~?じゃぁ連絡漏れね~。急に帰ってきてごめんね~」


 「あ、いや、別にいいけどさ。秋姉は何で?」


 「あっ、えっと、その、ちょっと仕事でね・・・」


 「秋ちゃんは今、AKIって名前で配信業してるのよ。その関係で今週末にこっちでやるイベントに出ることになって帰ってきたそうよ?」


 「あっ、ちょっ夏樹!?言わないでって約束したじゃん!?」


 「でも健也ちゃんもやってるし私もやってるのよ?言ったところでないかしら?」


 「うっ、それは、まぁそうかもしれないけどさ・・・」


 より詳しく話を聞いたところ、秋姉はチャンネル登録者数153万の大人気配信者だった。今週末にあるイベントというのは東京ゲームショウのことだったようだ。しかも数あるブースの中でも、今流行りのフルダイブ式VRゲームの中でも最も人気のある「Free Real World」というゲームのトークイベントに招待されてるらしい。

 

 そして夏樹姉さんだが、こちらは”Natsu”という名前で配信をしているようで、チャンネル登録者数は10万と秋姉に比べると少ないほう。しかしフリーのイラストレーターとして活動しており、様々なゲームやラノベなど様々なイラストを担当しているらしい。直近では「Free Real World」のキービジュアルを担当したそうだ。今後もフリーのイラストレーターとして活動していくらしい。

 ちなみに今週末に秋姉が出るトークイベントに夏樹姉さんも出るらしい。うちの姉二人がハイスペックすぎて泣きそう。


 「うちの姉二人がハイスペックすぎる件について・・・」


 「健也くんちゃんが路頭に迷ったら私たちで養ってあげるから気にしなくていいわよ」


 「そうそう、対価は健也の身体で十分だからさ!」


 「うえぇ!?」



——ピーンポーン


 今日三度目のチャイムが鳴り、夏樹姉さんが対応しにいく。


 「秋ちゃん~、あなたにお客様よ~」


 「えっ?私?」


 そう言いながら玄関から戻ってきた姉さんの後ろには、チワワのように可愛らしい少女がいた。


 「あのっ、シンタさんですよね!?」


 そしてなぜか秋姉ではなく、俺に声をかけてきた。


 「あっ、はい。そうですけど・・・?」


 「初めまして!ミナズキと言います!誕生日おめでとうございます!私の彼女&彼氏になってください!!」


 「えええええ!?!?!?何々!!!どういうこと!?!?!?なんでリスナーのミナズキさんが家にいるの!?」


 「ミーちゃんは私の大学の後輩だから。健也の配信を教えてくれたのもミーちゃんだからな。それよりほら、返事してやれ」


 「ミーちゃんって何!?えっ!?秋姉の後輩!?俺より年上なの!!」


 「ほらほら、ミーちゃんを待たせてはだめよ。早く返事してあげなさい?」


 カオス!?圧倒的カオス!?何これ!?ってヤバイミナズキさん放置しすぎて泣きそうになってる。ええっとえと、


 「あの、えっと、ごめんなさい。ミナズキさんの事何も知らないからその・・・、お友達からでどうでしょう?」


 「あっ!それもそうでした!ではお友達からということでよろしくお願いします!シンタさん!」


 「おわっ!?いきなり抱き着いてくるの!?」


 何とかしてミナズキさんを落ち着かせたところで、なぜリスナーのミナズキさんが家に来たのかをより詳しい話を聞いた。何でもミナズキさんは秋姉の専属マネージャーをやっているようで、その関係でこちらについて来たそう。元々ホテルに泊まっていたそうだが、偶々俺の配信を見た秋姉が、俺の誕生日を思い出してホテルを飛び出す。ミナズキさんもその後を追って家に来る。そして今。俺に告白してきたのは、ファンとして当然の行動とかなんとか言ってたけど正直よくわからなかった。


 「ところで健也ちゃん!誕生日プレゼントは届きました?」


 「誕生日プレゼント?」


 「ほら、私が持ってた段ボールのことよ。健也ちゃんの部屋に置いてるから確認してきなさい?」


 誕生日プレゼントて昨日の今日で届くものなのか?とか、色々と疑問に思いながら部屋に戻って段ボール箱を開ける。すると中にはフルダイブ式VR端末とメッセージカードが。メッセージカードには誕生日おめでとうという旨のメッセージと、端末には「Free Real World」インストール済みですと書かれていた。


 「ミミミナズキさん!?ここここれどういうこと!?!?何で昨日の今日で!?!?」


 「ふふふ、実は端末を届けたのは私なのです!ちなみにクラファンは30分で目標額達成したので達成した直後に購入してきました!」


 「ええええ!?!?」


 「それとホテルは引き払ったので今日からここに泊めてもらいます!もちろん秋先輩と夏樹さんの許可も取ってます!!」


 「えええええええ!?!?!?!?」


 ちょっ、えっ、はぁっ!?朝から色々ありすぎてついていけないんだが??どうしてこうなった!?




 

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