第14話

 お昼は軽く 厚く切って焼いた燻製肉と目玉焼きとレタスのような野草(鑑定さんで確認し ソフィアにも聞いたら食べれるって言ってた。)を黒パンで挟んだサンドイッチ。を大量生産。食べ飽きるといけないので魚の燻製のも作る。


 ローテーブルに大きめの日傘を立ててチェアを並べ紅茶を入れてエレガントに楽しんでいたら、サンドイッチに妖精が寄ってきた。食べれるのか疑問だったけど 別な皿に取ってお供えすると入れ代わり立ち代わりで触っていき、どんどん量が減ってゆく。

 それを見てスティアが感激の涙を流しながらまたお祈りを捧げていた。

「スティア。そろそろ帰ってきて」


 ◇


「精霊が見えるって事、村に行ったら言っちゃ駄目よ?」

「だいたい言いたい事は見えるけど、念のため、なぜ?」

「妖精が見える上に、これだけ距離が近い都合のいい人、ってわかったら村から出して貰えなくなるわよ?」


「了解。 ヘレナも妖精が見える事言うの禁止ね」

「わかりました!お兄ちゃんとお姉ちゃんと私の秘密です!」


 ・・・声が聞こえて意思疎通ができそうって事はスティアには まだ言わない方がいいだろうな。



 河原に出したテーブルや道具を片付けて 再度出発。

 スティアの周りには相変わらず妖精達が群れている。

「にんにきにきにき♪にんにきにきにき♪ににんがさんぞ!♪」

「ヘレナちゃん楽しそうねー。歌の意味は分からないけど。」

いまは年寄よりネットに精通した若い子の方が古いネタ知ってるんだろーか?、、、で、誰が三蔵で誰が悟空?


この辺りは、まだ初春なんだろうか。木々の枝は既に若芽が芽吹いている物、未だ固い被り物を被っている物が入り交じり、陽光を受ける地面には蕗の薹や福寿草に近い感じの草花が花を咲かせている。

「だいぶ標高が上がったよね?村って山の上の方にあるの?」

「んー、ちょっと違うわね。ここから緩い尾根筋を通って もうちょっと行った、ほら!あの雪を被った山と山の間!あそこから反対側に下るの。あなた達歩き出すと速度が速いからだいぶ早く付きそうだわ。」


今からだと夜の峠超えになりそうだったので、峠の少し手前、山から流れ出す川の滝壺近くで一泊することにした。

石ころだらけの河原を通り過ぎ、少し高台になった平地を見つけて野営の準備。全員で協力してテントを張って、木を集めて、(以下省略、、、いつものように滝の下流、テントからさほど離れていない場所に滝の見える絶景露天風呂を作って、後は自由時間。


ヘレナとスティアはのんびりお風呂に入りたいというので、僕は川へシヴァか、、、渓流釣り。足音をころして下流へ向かいながら緩くなった流れや落ち込み、プール等々ポイントになりそうな所へ仕掛けを流し込む、目印が少し沈み込んだのを見て合わせると、重さが乗って竿がしなる。心地いい振動を感じながら手元へ寄せてたも網ですくう。を繰り返す。尺上岩魚が入れ食い。当たり前だけど、この辺だれも釣らないんだな。

ある程度釣ったら納竿。今日もいい釣り出来ました。

川岸を見ると笹の林でワッサワサ。根曲がり竹のタケノコゲットだぜ? 30本程頂いて夕ご飯のおかず。 


『警告!前方から哺乳類タイプの大型魔獣がかなりの速度で接近中です。こちらが風上のため感知されたようです、接敵まで7分』

今回は相手が向かってきているようだし、タテで突こうかとも思ったけど、素人がそんな事してもまず急所外れるだろうって事で、今回のレシピは天のバレットXM500、弾種・徹甲弾で、準備したものがこちらになります!


前回と同じくチェックして耳栓を付け遠見が利かないので腰だめ、密生する笹を掻き分けて出てきたのが、クマ―!

こちらが逃げないのを警戒したか少し手前で停止した。

嚇かせば諦めてどっか行ってくれるかと思い足元に一発 逆に興奮させてしまったようだ。その場に立ち上がって威嚇してきた。

でかい。立ち上がると5メートル弱。アバラ三枚だと思われる付近に3発、速射で撃ち込んで様子見。轟音をあげて倒れてきた。

生き物にはオーバーキルだと思うけど止められないと怖いし。

熊なんて捌けるかなー?次元収納に収めて帰路に着く。


「ただいまー♪」

「銃の音が聞こえたけど何かあったの?」

「襲われたのですか?」

湯上りの二人が心配して声を掛けてくれた。

「こっちでなんて名前なのか知らないけど熊が出た。こーゆーの」

収納から出して地面に置く。

「ダイノウルソ!絵では見たことあるけど本物は初めて!もっと南の方にしかいないはずなんだけど、、、はぐれて移動してきたのかしら?」


「食べれる?」

「そこまでは確認してないけど、、、食べるの?」

「迷ってるところ、僕達の故郷ではもちょっと小さい似たようなの食べるんだけど、脂がすごいのと臭いを抜く手間が大変だって聞いたことあるから?、、、、、迷うから収納に入れとこう、後で処理できる人に任せる」

まだ他にも肉は大量にあるから無理して解体することもないだろうし、毛皮も取れそうだしね。胸の前と背中に三つ穴開いてるけど。


そんなこんなで夕ご飯今日は昼間釣ったヤマメのから揚げポン酢風味、とそこからのヴァリアブルレシピ・ヤマメの南蛮漬けスライスガーリック多め!、、、サイズがでかくてほぼサクラマス、なので三枚おろしの後切り身にして料理。

ネマガリダケはシンプルに焼いて塩かマヨネーズ。

味と量的に白いご飯も欲しくなっので異世界初炊飯。竈を作っては美味しいけど手間だから、、天のポータブル電源と天の炊飯器・石窯。米を研いで炊くだけ。

アマテラス様ととゆけさんも来そうだから多めに作って収納しておこう。



「なにこれ!魚とご飯リリジャ合い過ぎ!美味しいいい!」

「お肉もいいけど魚もねー!」

「やだ!タケノコとこの白いドロドロも美味しー!いや!止められないいい!」

「お肉に飽きたらタケノコもねー!」

残念ながら裸になって光線技は使ってないですが、大変満足して頂けたようです。

「いいじゃないかー! こういうのでいいんだよー! こういうのーなのです!」

ヘレナは何処に向かっているのだろう?



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