異常性癖持ちの兄妹が主役の物語のプロローグ、あるいはただのデッドエンド

まず最初に、この物語は性癖を壊される(新しい色々な扉が開いてしまう)……かもしれない恋愛物語です。
もしもこの物語を読んでみて、理解してしまった人は残念ながら、多少の異常性癖持ちと言えるでしょう。
しかし、この物語を読んでみて、よくわからないけど気になるとなった人は、作者さんのノートでの解説を読むことを推奨します。
そして、そちらを読んだことで理解できた人はそうですね、新しい扉を開けたのではないでしょうか?
最後に、それでもまだわからなかった人はおめでとうございます、あなたはとても正常な人間です。

さて本題ですが、この物語は異常性癖×異常性癖×(恐らく)正常性癖な三人の物語です。
つまりは「兄(異常性癖)」×「妹(異常性癖)」×「妹の友人(恐らく正常性癖)」の物語ですね。
しかしここで間違えて欲しくないのは、ここで言う異常性癖というのはつまり、一般的ではない……普通ではない性癖のことであって、更に言えばあくまでもこれは性癖の問題であり、確かにこの物語内だけを見ればこの兄妹は異常に見えますが、彼ら彼女らは日常生活に支障をきたすような異常者な訳でもなければ、正常な判断や常識のない変態でもないことです。
更にくわえて、この兄妹のそれぞれへの愛情は、形はいびつな上にわかりにくく、こじれにこじれていても純粋です。
それは作中で語られるように、この二人の関係が決まった(ゆがんだ)のが子供の時だったことが原因の一つなのだとは思いますが、それ以上にこの兄妹が、お互いのことを大切に思い、お互いのことを一番に考えているからなのだと思います。
ですがそれはつまりそのまま、お互いの一番は自分ではないということであり、本来自分を一番大切にしなければならない人間であるいじょう、この兄妹は今のままでは幸せになることもないでしょう。
そしてこの物語は一話しか存在しない都合上、この兄妹の物語は想像で補うしかないですが、この兄妹の物語のプロローグとして見るならば、とても素晴らしい導入と言えると思います。
なので一読者の戯れ言として、作者さんには続きをお願いしますと書くことにします。

最後になりますが、最初に書いたようにこの物語は異常性癖持ちな兄妹と、その妹の友人である(恐らく……現状は)正常性癖持ちな女の子の物語です。
なので一般的な恋愛物語を好む人は受け入れがたいと思いますし、共感などもできないと思います。
ですが、この物語は決して異端などではなく、とてもユニーク(個性的)な物語なのだと、それだけは認めて欲しいです。