第9話 校章

 高校から大学に入った時、私の新しい校章を見た母は不満そうだった。


「高い学費、はろうてきたのに、校章、えらいみじこうなっとるやん」


 私は高校から私学で、大学は内部試験だけの、ほぼエスカレータ式の所に行っていた。


 校章は、横に細長い形だった。


 私は、自分の学校の校章は、上に行くほどだんだん短くなっているらしい、と説明した。


「一番下の幼稚園は、校章やのうて園章で、これは形が違う。


 で、小学校の校章が一番なごうて、中学、高校、大学と、上に行くほど、みじこうなっとるらしいよ」


 と、私が言うと、母はちょっと考え、


「つまり、その校章は、残りの学費を支払う期間の長さをあらわしとる、という事やな」


 はい、その通りでございます、お母さま。


 残りの学費のお支払い、お願いいたします(平伏っ)


 私学の校章は、クセモノ! であった。



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