デュオ

「今日のVR訓練は上出来よ前回の2割は向上している」

VR訓練での23G隊の成果にマギーは称賛した。

「ただマルクは演習とはいえ避難民の避難完了の間に脚を止めてる事が多いの」

「…あの問題が?」

「AIは学習し続けるの。止めた理由が避難民と判明すると集中してくるの、その為避難民の誘導は足を止めず先頭、中間、最後尾に分けて置く必要があるの」

「その避難民の1人がもし転んで足を止めてしまったらどうなるんです?」

「可哀想だけども見捨てるの」

23Gの訓練の成果の話しの際、

「思った以上のポンコツだな」

横で釘を刺した者が居た、

「誰です?」

レイ達23G隊が声のする方に視線を向けると、

「俺は23A隊のデュオだ、それにしても何でアンタが23G隊長だ?コイツは地球防衛軍に入る前は軍曹何だぞ?可笑しく無いのか?マーガレット司令?」

「23A隊はイカロス大隊の中でも切り込みが目的に成ってるの、23G隊とは違い隊全体の能力も23Aの方が上よ、元少尉」

「へっ!そんな理由で選定したのか?だったら次のVR訓練は23Aと23Gの競合演習での成果の結果はどうですか?」

「…良いでしょう、では明日23Aと23Gの競合演習を行います。異論は?…無いなら決定します」

基地内宿舎、23G隊寝室、

1つの部屋にベッド5つ、其々をカーテンで仕切られただけの構成に成ってる。

「…」

「…寝れないのか?」

「…ええ如何に足を止めずに避難民避難のVR訓練をクリアすれば」「マルク、貴方は最後尾に居て欲しい、その方が避難民の脚が止まってもフォローし易い筈だ」

翌日

「VR合同演習の結果を発表します、

23A撃墜数12避難民の被害15%

23G撃墜数12避難民の被害12%」

デュオはその結果に渋々従うしか無かった。

後日、

『カルフォルニア周辺に大型人型AIの存在を検知、南に23A、23B、東に23C、23D、西に23G、23H、北に23I、23J、索敵お願いします、23E隊、23F隊は大型人型AIが発見され次第発進』

全機発進した、

発進して数分後、

『此方23B隊!大型の人達AIを補足。現在抗戦中』

23B隊からの通信に対して、

『北東方向に多数のAIの反応有り23G、23Hは援護、23E、23Fは発進それ以外は迎撃』

基地からの連絡だ、

「23G隊は23E、23Fが到着するまでの間大型と抗戦する!全機最大全速!」

大型人型AIの発見された地点では、

23Aのマシナリと23Bのマシナリとトルプ数機が居たが、

トルプ数機は手足が破損していて23Aの隊長機のマシナリも右腕が根元からもがれてた。

「一体何が遭った!?」

レイは通信用ワイヤーを使っての通信を試みたが荒い息使いしか無い。

ソルドシリーズの通信方法は短距離無線とワイヤーの2つしか無く長距離通信ではAIに傍受される危険があるからだ。同じくレーダーも矢鱈広くすると逆探知されかね無いからだ。

その為に通信、索敵では意図的に限らせる必要が合ったのだ。

『大型人型AIの他にもソルドのコピーAIが出現した!数は2!』

ビルの天辺から人型ロボットが高く飛んで出て来た。

『アレは』

『嘘だろ?』

細かな違いを除けばソルドに似ている。

ソルドコピーAIが姿を見せたと同時にビルが崩れた、崩れたビルから大型人型AIが姿を見せた。

23G全機が迎撃に出たが、人間の乗るAFとは次元の違う動きを見せた、

『がっ!』

「スレイド!」

『左肩に中程度と左主翼損傷高度の維持が…』

『隊長!後に大型人型エーアイが』

「なっ!」

マリーの呼びかけに反応したレイは機体を急上昇した、

大型人型AIのゆっくりだが威力は桁外れのパンチが済んでの所で避けれた、

「お前の相手はここだっー!」

レイのサージは上昇しながらもフライトジャンパーを外してハンドの右腕に装備したビームライフルと嘗てはミサイルや小型機等の迎撃に役立ったがAIの高度化に依る精度の向上化に寄り今では苦し紛れでしか無いCIWSを両方共オート連射のままハンドを真上に射出して残ったコアポッドとフットを大型人型AIに向けて飛び、

加速したままフットを外した。

外したフットは大型人型AIに激突して怯んだ、

『23A!23B!23G!損傷の少ないハンドとフットを真上に損傷の酷いハンドとフットは自爆せよ』

レイは傍受されるのをお構い無しに通信で呼びかけた。

損傷の余り無いトルプのハンドとマシナリのフットが真上に射出された、

レイは2つが自由落下に入る前に慎重な操作でハンド、フットを合体させた、

ハンド側に装備させたグレネードランチャーが発射された時は砲口は大型人型AIの右大腿部付け根、

グレネード弾が命中した時は大型人型AIの右脚が根本からもげて倒れた、

脚のやられた大型人型AIを護衛しようとソルドコピーAIが立ち塞がったが、メンバーの殆が内妹達2人と末の弟1人を除く5人アレグリア兄弟で構成されてた。四肢に追加された射出式ワイヤーに依る立体機動に依る多数での少数のAIの立体攻撃を主とする23E隊とAFでの空戦を主とする23F隊が到着した、その後どうにか大型人型AIとソルドコピーAIを全滅させた。

帰投後、

デュオが救急搬送されてた、実は昨日は未病の様でソレでも休まずにトレーニングをして追い込んだ結果風邪をひいたそうだ。

地球防衛軍のメンバーは療養が可能な状態の時だけドクターストップがかかるのだが、彼はその事を隠していたのだ。

デュオを搬送された後の事、

レイの前に1人の女性が近づいて来た容姿から見てイカロス大隊のメンバーだがマリーと違って成人なのは解る、

「23G隊隊長レイ=グライムブラスですか?」

「そうだが…貴女は?」

「23A隊隊員のエイミーです、貴方にコレを届けて来ました」

開封済みの手紙で有った、

レイは躊躇う事無く中を開けて見た。

『お兄ちゃんへ。

まだ帰れ無いんですか?

お父さんからお兄ちゃんはアメリカ軍から地球防衛軍に配属出来る様に偉い人に何度も頭を下げていた見たいですが、

もしかして私があの時歩け無くなったから?

お兄ちゃんが悪くは無いです、

元気に帰れる時を待ってます。

アリア=マキシモ』

「…コレって?」

「はい…彼の妹の手紙です、彼の妹はニューヨークでAIの襲撃の際、彼は其処でVW-2と言うAFに乗って皆を護ろうと必死に戦っていたんですが…」

それ以上は言うなとレイは目で語った。

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