第2話四宮あおいとの七日間

四宮あおいは呆然としている。これがアプリの効果なのだろうか?

いまいち信じられないな。

でもあの美少女だけど憎らしい四宮あおいは僕の前でただ黙って立っている。

「か、髪の毛さわっていいか?」

試しに聞いてみる。

モデルをしている四宮あおいの黒髪は艶があり、美しい。

「ええ、どうぞ」

あのプライドの高い四宮あおいが自ら頭をさしだす。

僕はその黒髪を撫でる。手触りは抜群だ。髪は女の命というがまさにこの黒髪は命に等しいほど美しい。

「くすぐったいわ」

ふふっと微笑む。

さすが学校一の美少女だ。笑顔が素晴らしくかわいい。しかし、こいつは僕を苛めていた張本人だ。ほだされてはいけないぞ。

「ぱ、パンツみせてくれないか?」

さらに思いきって僕は命令する。

「いいわよ、パンツだけでいいの?」

そう言い、四宮あおいはスカートを自らめくる。そこには白いフリルのついたパンツがある。パンツからは長い足が生えていてむちゃくちゃエロい。

「ほらここも見てよ」

前かがみになり、四宮あおいは形のいい胸の谷間を見せる。

どういうことだ?

命令以外のこともするのか。

よくわからないが、これはいい眺めだ。

僕は四宮あおいのパンツを見せる姿と胸元を何枚もスマホで写真を撮った。


「じゃあ、放課後校門で待っておけよ」

僕は命令する。

「わかったわ、待っていればいいのね」

四宮あおいは答える。



さて、放課後になった。

本当に四宮あおいは待っているのだろうか。

僕が校門に行くとなぜかソワソワとしている四宮あおいが立っていた。

「来てくれないとどうしようと思っていたわ」

四宮あおいは言う。

「じゃ、じゃあ、帰ろうか。僕の家に来てもらおうか」

僕は言う。

「わかったわ、義宗君の家についていけばいいのね」

なんと四宮あおいは僕の腕に自分の腕を絡める。うっ僕の腕に四宮あおいのおっぱいがあたっている。ムニムニして気持ちいい。



僕は家に帰り、四宮あおいを下着姿にした。首に荷造り用の紐をつけ、犬の真似をさせる。

「ワンワン!!」

ハァハァッと完璧な犬の真似で四宮あおいは僕の頰をなめる。

モデルであり、女優の卵でもある彼女の演技は完璧だ。

僕は四宮あおいが犬の真似をしている姿を動画にとって保存する。これはいい脅迫の材料ができたぞ。

これで四宮あおいは僕に手出しできないはずだ。


僕は四宮あおいに命令して晩御飯をつくらせた。彼女は僕のためにしょうが焼きと豆腐の味噌汁をつくってくれた。意外と家庭的で味は素晴らしく美味しかった。

両親が亡くなり、人が作る温かい料理は久しぶりだ。

あんまりにも美味しいので僕はご飯を三杯もおかわりした。

「美味しい?」

四宮あおいはきく。

「ああっ、美味しいよ」

僕が言うとまたあのきれいな笑みを浮かべる。

「そう、作ったかいがあるわ。そう言ってくれて私もうれしいわ」

あおいは言う。


食事の後、僕は四宮あおいに膝枕してもらいテレビでアニメを見る。

そういえば四宮あおいは声優の仕事をしたことがあるっていってたな。聞いてみよう。

「そういえばお前、声優のアフレコの仕事をしたことがあるっていってたな」

僕は言う。

「ええ、あるわ。あれは事務所がねじ込んだ仕事なのよ。自分の実力のなさを思い知らされたわ。プロは息の仕方一つとっても違うのね。だから私決めたのよ、高校をでたら芸大の演劇科にいってちゃんと勉強しようって」

まさかあの傲慢が服をきていると思っていた四宮あおいにも悩みがあり、挫折していたなんて。しかもそれを克服しようと努力している。

それに比べて僕はアプリの不思議な力でその彼女にエッチなお願いばかりしている。



それからの七日間は夢のようだった。スクールカースト一位の美少女四宮あおいを自分の好きにできるのだから。

四宮あおいは一週間僕のマンションに住まわせ、身の回りの世話をさせた。

僕のために料理をつくり、お風呂では裸になって体をあらわせ、膝枕で耳掃除をさせる。

眠るときは僕を抱きしめ、起きたときは目覚めのキスをさせた。

四宮あおいは嫌がるどころか嬉々としてそれらをおこなった。

「ずっと続けばいいのに」

僕は言う。

それははかない願望だ。

「わかったわ、ずっと一緒にいましょうね」

四宮あおいは答える。

でもそれはこのヒプノシスアプリの効果なのだろう。


そして七日が過ぎた日、それまで校門で待っていた彼女は当然ながらそこには現れなかった。当然だ、あのアプリの効果がきれたのだから。

その日、僕は久しぶりに一人で眠りについた。何故だか、涙が止まらなかった。

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