センセイの白衣 🥼

上月くるを

センセイの白衣 🥼





 先に書かせていただいたように、性格にくせ大いにあり(笑)のひふみさんなので、人間関係において相性の合う方とイマイチな方、はっきり分かれているみたいで。


 友人知人はむろんですが、各科の医師も例外ではなく、やたら圧の強いセンセイはNOサンキュー、温厚篤実で丁寧な診察をしてくださるドクターを好みます。(笑)


 ただ、これまで眼科だけ主治医がいなかったのはその必要がなかったからですが、加齢とともに白内障や黄斑変性症の可能性が出て来たので、さて、どうしたものか。


 で、相談をもちかけてみたのが各界から集まっているので情報が豊富なジム友で、まだコロナ前(いっそ「紀元前」的な位置づけにします?(笑))のことでした。




      🤸




 すると、有力な最新情報を教えてくれたのが大学病院受付勤務のメンバーでして、患者の指名一番人気だった医師が駅前に開業したばかりというグッドタイミング!


 さっそく初診に行ってみると、おお、これはこれは、歳のころにして五十代半ばの働き盛り、冷静沈着かつ説明も要を得て適格、ひふみさんの好みにバッチリでした。


 なにより印象が新鮮だったのはダサい(笑)白衣を廃し、渋めの趣味のいい私服(受付の夫人のセンス?👚)で旧来の病院っぽくない雰囲気を演出していること。


「パソコンの行が歪んで見えたりしませんか?(黄斑変性症の画像を見ながら)」「いえ、とくに」「あ、そう。呑気がいいよね、病は気のせいとも言うから」💦


 かくて、先日の朝も片道約三十分の医院まで徒歩で出かけ「白内障いつでも来いと鴨の陣」川柳もどきの俳句なんぞを詠みつつ、ルンルン気分で帰宅しました。(^^♪




      🔮




 自費でベトナムの無医村に行き、無償で診察や手術を行っている眼科医のドラマを観たのはそれから数日後のことで「人は人を助けるように出来ている」に、じ~ん。


 健康保険適用外の高額の白内障手術のビデオが流されていた明るい待合室が自然に脳裡に呼び出されましたが、まあ、それはそれ、これはこれ、人それぞれだよね~。


 そう自分を納得させつつも、ひふみさん自身なんの人助けも出来ていないことを重々承知のうえで、医師というよりも人としての在り方に思いが跳んでゆくのです。


 せっかくの最新医学、日本の患者のために活かして欲しいという正直な思いの裏には、お金がないため救われない国へのうしろめたさがぴったり貼りついていて……。


 考えが煮詰まると「国連はなにをやってんのよ?」責任回避に奔ったりして(笑)世界各地の不条理な現実に対して非力&エゴな自分を顧みると、なにも言えず……。




      🪶




 ちなみに、某医師になぜ白衣を着用するのか訊いてみたことがありますが、「へ? これを着ていなきゃ患者さんと区別がつかないでしょう」とのご返事でした。(笑)


 さらにちなみに(笑)再放送中『イチケイのカラス』の入間みちおさんら裁判官、法廷へ出る直前に私服の上に法服を羽織るんですね~、勉強になります。( ^)o(^ )




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