1-11 エスペランスバトル
エスペランスバトルは中学一年生から上の歳の人で、自分の実力を知りたい人や
別に強制ではない。
四聖星になったら有名人になれるし、少し偉い立場に立てる。
欲しいものもくれるとの噂がある。
ルークは貧しかった家を一生懸命働いて支えていた両親へ、期待された四聖星になって欲しいものをあげて親孝行したいと思い申し込んだのだ。
自分を虐めた奴を見返したい気持ちもあったし、同じ強い魔力を持った仲間の中なら自分の居場所を見つけられると考えていた。
このバトルはトーナメント形式で行われる。
参加するのは毎回国民の五分の三人くらいだ。
それ以外の人は家や街のテレビ等で皆で集まって観戦する人が多い。
国の中で一番視聴率が高いバトルイベントとなっている。
エスペランスバトルは運も勝敗を左右する要素だ。
誰と戦うかはクジ引きで決定するが、火を操る人と水を操る人で戦うと99パーセント水の魔術師が勝つ。
魔力の威力の差が大きければ大きい程、怪我をしたり致命傷を食らうことがある、少し危険な戦いだ。
魔術師は生まれつき「魔力」というものを持っており、心臓と同じくらい大切な存在だ。
魔力が大きい者ほど『異能』と呼ばれる、光から派生した魔術とはまた別の特殊魔術を操れる能力を持っている確率が上がる。
ルークは物を透かして見る事が出来る『透視』の異能の持ち主だった。
透視が出来ると言っても規模は小さく、壁一枚や人の体の一人分しか透かすことが出来なかったので使い道もなく、ルークは、他人の身体を透かし見るような変態でもないので異能は滅多に使わなかった。
エスペランスバトルは国の首都であるスぺクタル・フェリックに所在する、皇族が住むアンヴァンシーブル城の近くにある、コロッセオの形に屋根が付いたような見た目の闘技場で行われる。
ルールはシンプル。
対戦相手が自分の攻撃を食らって五秒経っても立ち上がれなかったら自分の勝ち。
勝った順に首都の『スぺクタル・フェリック』、街が空中に浮いていてドラゴンが移動手段の『ゼフィール』、AI搭載の施設が並ぶ近未来的なデザインの街『アストル』、自然豊かで静かな森や丘がある『ピュルテ』の4都市の中から自分が守る都市を選べる。
街の守り神として5年間、その都市の安寧を護らなければならない。
それが魔力が強い者の
その守り神となった4人のことを人々は四聖星───シエルと呼ぶのだ。
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