第19話 シュリンバー・シュトレイという男
シュリンバー・シュトレイ
何でも、そうやってまだ何も成し遂げていないのに自動的に昇格するのはおもしろくもなんともないと上層部の幹部連中に言い放ったらしいのだ。
だから、シュリンバー・シュトレイ大尉と隊長同士の挨拶をする時はかなり緊張した。
何か嫌みのひとつでも言われるんじゃないかと思ったからだ。
しかし、その心配は
「ルーフェンス・マークス
勝手に昇格拒否の件で気難しい人だと思い込んでいたのだが、シュリンバー・シュトレイ大尉はとても大きな声で笑う裏表のない
それに金髪、
「ツーツンツ王国一の
「まあ、そんなに固くならないで! 隊長同士仲良くやっていきましょう! でも、隊長だからって
「はいっ!」
「ハッハッハッ! いい返事ですね!」
「ありがとうございます!」
「その返事ができるだけでキミは将来有望ですよ!」
「本当ですか?」
「もちろん本当です! ワタシは嘘が大嫌いですからね! ハッハッハッ!」
だが、本当に裏表がなさすぎるので、
「・・・・・・ところでキミはあの噂のジュナ・ヘッケルトと付き合っているらしいですね! 隠さなくても大丈夫です! 幹部連中には内緒にしてあげますから! ・・・・・・実は、ワタシの同期も彼女と3日間だけ付き合って、なぜかその直後に軍を辞めてしまったんですよ。とても有望な人材だったんですけどねぇ。そういえば最後に会った時には別人みたいにげっそり痩せていたっけ? 相当激しい3日間だったんでしょうね! ハッハッハッハッ!」
などと、少し遠くでみんなといるジュナ・ヘッケルト本人にもひょっとしたら聞こえてるんじゃないかというような大声で言ったりするのでこちらがヒヤヒヤしてしまう。
それで俺は話題を変えようとこんなことを言ったのだ。
「でも、こんな呑気に結成パーティーをしてて大丈夫なんでしょうか? 今頃ヘッケルト教授はひどい目に遭ってるんじゃ・・・・・・?」
「ハッハッハッハッ! ヘッケルト教授のことをナメてはいけない! あの人はきっと今の状況を楽しんでいるはずですよ! だって魔王に体を乗っ取られるなんてなかなか経験できないことなんだから! ワタシも1度は体験したいものです! ほんとヘッケルト教授が
この人はどこまで本気で言っているのかよくわからない。
でも、ヘッケルト教授のことを認めているというのは確かなようだ。
「だからキミたちもヘッケルト教授のことは一旦忘れてこの世界を旅することを楽しんでください!」
「一旦忘れて・・・・・・?」
「そうです! 何と言ってもキミたちは我々の秘密兵器なんですから! まずはワタシたちが全力でヘッケルト教授の捜索をしますから、まだまだ伸び
「はぁ・・・・・・」
つい納得できない気持ちが声に出てしまった。
「なんですか? 元気がないですねぇ? ほら、さっきみたいに元気よく!」
「はいっ!」
と、俺は慌てて元気よく返事をする。
「よろしい! では、くれぐれも気を付けて楽しんできてくださいね!」
「はい! そちらもお気をつけて!」
「ありがとう! ああ、そうそう、ワタシの隊のヤーバス・ロダノ第139
「楽しみにしています! ヤーバスのことをよろしくお願いします!」
そう言って、シュリンバー・シュトレイ
「なんでじゃんけんなんかしてるんだ? 何か決めてるんだったら俺もまぜてくれよ!」
と、俺が言うと、
「駄目です! 兄さんはこのじゃんけんには入れません!」
とユアール・プライツに言われてしまう。
「何でだよ?」
と訊くと、女子たちみんなにこう言われた。
「「「「「「だって、みつ持ちだから!」」」」」」
※※※
第19話も最後までお読みくださりありがとうございます!
もし少しでもおもしろいと思っていただけたら、作品フォローや★評価をしてもらえるとすごくうれしいです!
【次回予告】
第20話 隠れ職業と最後の夜!
隠れ職業とは?
そしてついにツーツンツ王国での最後の夜!
旅立ちを前に何を思う?第20話っ!
どうぞ続けてお読みくださいませ
m(__)m
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