第四十九話 「Убийца(刺客)」

"ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ―――――


「(Действительно на этой


  дороге,)

(こっちの道で本当に――――....)」


"ザシャッ!"


「Эй, Лебедева!? Если


 переборщить русский


 человек доберется


 до сюда!?

(おいっ レベデワっ!?


 あんまりチンタラ進んでると、


 "ロシアマン"がこっちまで


 来るんじゃねえかっ!?)」


"ビュウウウウウウウゥゥゥ....."


何か人の出入りがある様な


生活感を感じさせる小屋の様な建物を後にした


レベデワ達は、二又の道を右側へと進み


雪が降る中馬を進ませて行く....


「Ты должно быть шутишь,

(冗談でしょう....)」


自分の横に馬を止め、大声でがなり立てている


アントンに冷笑した様な笑みをレベデワが浮かべる


「Ну я думаю что русский


 человек это плохая


 шутка, Мне что-то


 нужно, Ты имеешь


 в виду?

(まあ、"ロシアマン"ってのは


 悪い冗談だと思うがよー...


 "何かはいる"....ってこったろ?)」


「(・・・・)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


【Тогда что это за


 волосы!?

(じゃあ、この"毛"は何なんだよっ!?】


"ドンッ!!"


先程、得体の知れない、ドアの外にいた


"何か"が残していった


テーブルの上に置かれている大量の毛を見て


アントンが激しく机を叩く!


【ну я никогда раньше не


 видел этих волос,

(・・・・まあ、あまり見た事は無い毛だが....】


ジュチはテーブルの上に置かれた


"何か"が残して行った灰と青が混じった様な色の


毛を手に取る


【Русский мужчина разве


 это не волосы


 русского человека!?


 Этот парень йоу!?

(――――ロシアマンッ、 


 "ロシアマン"の毛じゃねえのかよッ!?


 ソイツはヨッ!?】


"ガタンッ!!"


【(・・・・!)】


机を再びアントンが叩くと、周りを囲んで座っていた


三人の動きが止まる


【горб,

(....コブ....)】


【Ну сказать русский


 человек было бы


 несуществующей


 историей,

(まあ、"ロシアマン"と言うのは


 有りもしない話だろうが.....)】


【Откуда ты это знаешь!?

(――――何で分かるってんだよ!?)】


【первый,

(・・・まず....)】


立ち上がったアントンが、険しい表情で


座っているジュチを睨みつけるが、


テーブルの上に乗った毛の一部を手に取りながら


ジュチは無表情でその毛を握り潰す


【Как вы думаете русский


 человек действительно


 существует?

("ロシアマン"なんて、


 本当に存在すると思うか?)】


【Ц,

(・・・っ)】


今の今まで、自分でも、


"ロシアマン"


その存在を否定していた筈だったが、


先程の小屋の外での出来事、そして今目の前の


テーブルの上に乗った大量の毛を見て


アントンの考えは変わった様だ


【если подумать спокойно


 то эти "волосы


 замкнутый мир, Было


 бы естественно


 предположить что его


 оставили другие


 животные подобные тем


 что были по ту


 сторону скалы,

(・・・冷静に考えれば


 この"毛"は閉ざされた世界―――――


 あの岩の向こう側にいる動物達と同じ様な


 別の動物が残して行ったものだと考えるのが


 当然だろう)】


【животное,

(・・・・動物....)】


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「Э! О!? Привет Лебедева


 Русский человек!? Не


 идет ли русский


 человек!?

(エエッ!? オイッ!?


 レベデワさんよーっ


 "ロシアマン"ッ!? "ロシアマン"が


 来るんじゃねえかッ!?)」


「(・・・・


 Как я уже говорил


 ранее эти волосы


 вероятно волосы


 животного в этом ЗАТО


 или что-то в этом


 роде?

(さっきも言った通り、あの毛は


 おそらくこのZATO内にいる


 動物か何かの毛でしょう?)」


「Русский,! Русский,!?

(――――ロシアッ....! ロシアッ....!?)」


「(・・・・)」


当初、この怪しげな存在


"ロシアマン"


の存在を否定していた筈だったが、


今大声でがなり立てている様子を見ると、


どうやらアントンはこの"ロシアマン"の存在を


完全に信じ込んでしまった様だ....


「О, привет, Б какой


 русский человек,


 Работает ли оружие,

(お、おめぇーッ....


 ロ、ロシアマンなんて....っ


 鉄砲効くのかよ....ッ)」


「・・・・」


声を上ずらせているアントンから視線を外すと


レベデワは自分の足に掛けている


9mm口径のギュルザ弾がセットされている


Удав(ウダフ)を手に取る....


「Большинство зверей


 можно прострелить


 этим Удавом, но если


 Цувефов использует


 дрон или что-то в


 этом роде,

(大抵の"動物"なら、


 このウダフを使えば撃ち抜ける... 


 でも、もしツベフォフがドローンや


 何かを使ってるとしたら....)」


「Что, Антон? Ты робеешь


 с русским человеком?

(何だ、アントン....? 


 "ロシアマン"が相手で


 気後れしてるのか?)」


「Ну это не повод так


 говорить,

(そ、そう言うワケじゃねえが...っ)」


「(・・・・)」


"ビュオオオオオオオオオオオ――――――


「(・・・・)」


"ザッ ザッ ザッ ザッ.......

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