第三十話 「звездная жизнь(星の命)」

"ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ――――"


「(ここ、は....


「ようやく、我が肌衣(はだえ)へと


 ヌケヌケと姿を現しおった様だな」


「ッ!?」


線悦の消失――――――


「ククククク.....」


「ど、どこだっ....!?」


"ドクン、ドクン、ドクン、ドクンッ―――――


「(ゴ、ゴボルザーク....っ!?)」


「タカカズッ!? 来ちゃダメッ!?」


「ま、麻衣かっ!?」


"ヒュイイイイイイイイイン―――――ッ


「(ク、クリスタルの中に・・・!)」


「・・・・」


線悦の消失、遥か長い悠久の刻、


八万四千二十年とそして、


十四の次元を越えてようやく隆和は


聖三姉妹の長女 遥、そして末妹の連音と共に


"極帝終滅激烈走者"


と呼ばれる、このアナールドシア・


イナイイスタシアに仇成す


"ゴボルザーク"、その純粋な悪その物、


破壊の根流を直成(ひたな)す


汚謬(おびゅう)の存在の居場所を突き止め、


"線悦の消失"その場所へと


誘(いざな)われる様に、誘い込まれる―――――


「(麻衣・・・・っ!)」


"ドクンッ ドクンッッ ドクンッッ....!


「お、お姉ちゃんっ――――!?」


「(・・・閉じ込められてるのか....)」


隆和、そして遥 連音の三人が


この小悦たる、異羞(いしゅう)たる、


線悦の消失の間まで足を踏み入れると


暗い、地面すら無い空間の奥の方に


クオーク型の集合体の結晶に体を囲まれ、


囚われの身となっている、聖三姉妹が次女


"暁 麻衣"


の姿が見える――――――


「クハハハハッ....!


 ―――――クハハッ!?


 クハハハハハハハッ!?」


「ゴドルフレイザー・・・


 いやっ...ゴボルザークっ・・・!」


ヒュオンッ


「っ・・・!」


「どういう気分かね――――


 "エモイ"―――――、


 いや、"タカカズ"よ....?」


"ストッ"


突如黒と白の世界に彩られた


無空間の中に姿を現したゴボルザークは、


隆和達から程無い距離にある、三姉妹の次女、


麻衣が閉じ込められているクリスタルの前に


忽然とその肢躯を幻出させると、


僅か爪先、いや、爪先かと感じられる程


精神的に距離感の近くなった隆和を、


身に着けた最終超合金、


"クトナラオブル・ド・オイブレイザー"


の甲冑(かっちゅう)の隙間から覗き見る――――


「タカカズ――――....」


「?」


自分の側にいた聖三姉妹が末妹、


連音がゴボルザークが姿を現したのを見て


驚天している故か、細く、霞れた声を上げる


「コイツ(ゴボルザーク)


 殺っちゃってもいいかな――――」


"ガキッ!"


「(・・・・っ)」


「ねえ――――?


 "力"を抑えつけるのも、飽きたし


 コイツ、殺っちゃってもいいよね――――」


「!!」


連音、は氷の様に冷たい、ゾッとする様な


連続殺人犯の疑義的な容疑者の様な瞳を浮かべると


手にしていた最強の武器、


"オブシダン・スーパースピリチュアルナイフ"


を手に取り、スカートをヒラつかせる....


「退屈凌ぎにもザコばっかりで、


 飽き飽きしてた所なんだ・・・っ


 アイツ、殺ってもいいよね―――――?」


"チャッ!!"


「クハハハハッ――――


 小娘・・・?」


藍色と銀に染め上げられた、連音の持つ


オブシダン・スーパースピリチュアルナイフ、


そしてその様子を見て麻衣の閉じ込められた


クリスタルの側に浮かび上がっていた


ゴボルザークは、甲冑の隙間から


吐息を漏らす―――――


「"あの時"以来、という事か――――?」


「・・・冗談じゃん?」


"ガキッ!!"


「――――遥かお姉ちゃんっ!?


 "サポート"してっッ!?」


「――――死承。」

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