第二十一話 「учреждение(施設)」

「(ここは――――...)」


"ガラッ!"


「オッヒョォアアアアッ


コ、コイツハスゲエ」


「・・・・」


"ガラッ"


「(・・・何かの"施設"の様だが....)」


「ゴウナッ!? ココハ、


ナンナンダイ!?」


「・・・・」


"ガラッ...."


「・・・・」


スサケフスキと共に、この岩肌の先の世界で


遺跡の様な施設を見つけた河野は、


その石造りのすでに使われる事がなくなってから


かなりの期間が経っていると思われる


遺跡内の通路を歩いていると、


自分達が歩いている通路のかなり先の方に


明かりを見つけ、その明かりが


漏れ出て来ている部屋の中へと足を進ませる


「オ~ッ... サムイ、サムイ...」


"ガラッ.... ガシャッ...."


「(・・・・)」


足元に転がっている瓦礫を避けながら


部屋の中を見渡すと、部屋の間取りは


ある程度の広さがある様で視界の先にある


この部屋の突き当りの壁が、


あまりはっきりと見通す事が出来ない


「・・・"ワタリニフネ"ッテヤツジャ


 ネエノカイ...?」


「・・・どこで覚えたんだ、そんな言葉....」


"ガラッ...."


「・・・・」


"ジジッ―――――、


「(蛍光灯か....)」


"ジッ


"ジジッ"


「(電気が通ってるって事か....)」


"ガシャッ ガシャッ ガシャッ ガシャッ"


「オイ、ミロヨ、ゴウナッ」


「・・・何だ?」


"ジ――――――


「・・・動いてるな」


「ナニカハイッテルカノウセイガアルゼ?」


「・・・・」


入り口から部屋の右側、


その右側の壁の辺りを見ると、そこには


薄汚れた腰の高さ程の銀色の金属の箱の様な物が、


壁際にもたれかかる様にズラリと


並べられているのが見える.....


「クイモントカハイッテルンジャネエカ?」


「食料か・・・」


「デンキアルミテエジャネエクワ」


"ガチャ"


「お、お―――


"ブシューーーーッ


「ウ、ウホォア」


扉の付いた、その銀の箱が


冷蔵庫か何かだと思ったのか、


その銀の金属型の箱の扉に手をかけ、


スサケフスキが扉を開けると扉から勢いよく


水蒸気の様な物が噴き出して来る!


"ブシュウウウゥゥゥゥッ"


「――――ツ、ツゥオアハッ」


「お、おい」


「―――プッ プッ」


"パッ パッ"


蒸気を顔に浴び、一瞬、顔を下に向けるが


地面に軽く唾を二、 三度吐くと


スサケフスキはそのままその箱の中に目をやる


「・・・ナンカ、ハイッテルゼ」


「・・・入ってる?」

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