第28話 リアンナ王女の迷宮探索①

 再び練習迷宮です。


 今回は特Aクラスではなくて、王女殿下選抜パーティで入っているのです。


 リーダー 騎士科剣聖リアンナ

 メンバー 錬金術科錬金術師ミルキィ

      神聖科聖女クラリス

      商業科商人プリシア

      魔導師科賢者セレンディア

      魔導師科魔法使いソリア


 見事なガールズパーティ。


 リーダーは満場一致で王女殿下。ミルキィじゃないんだよー。


「私ではなくてミルキィの方が相応しいのでは?」

「『勇者』ならば全冒険者、いいえ、世界のリーダーですわ」

「殿下、此度はミルキィが正しいと思います。熟練者が後ろにいる時に経験をお積み下さい」


 リアンナ王女の狼狽えに、和かに返す私と正論で有無を言わせないクラリス。他の面子も頷いてるしー!


「で、では隊列は」

「先頭を殿下、プリシアとクラリス、中にソリア、でセレンディア、私が最後尾」

「ミルキィが後ろ?」

「って言うか、今回は背後バック上空間テンジョー全部見るオールカバーだよ」


 肩に従魔タラちゃんを載せて宣言する。

 ちょい過保護だけど、万全を期したい。


「進路や探索順番、戦闘指揮、全てお任せしますからー。勿論助言口出しはやっちゃうのでー」

「ミルキィから色々と吸収して下さい。彼女は単独行出来る冒険者ですから」

「せっかくです。アライズ殿下より先に探索クリア致しましょう」


 そう。

 今回は私達ガールズパーティと別口で、アライズ王子殿下も選抜パーティ組んで迷宮探索を行う事になってる。


 因みに向こうのメンバーは。


 リーダー 騎士科魔法戦士アライズ

 メンバー 騎士科魔法戦士ウィルバルト

      騎士科戦士ジオ

      商業科商人サーモンド

      神聖科僧侶エバンス

      魔導師科魔法使いベンジャミン


 バランス的にはアッチの方がいいと思う。

 前列に2人、最後尾と騎士科が揃ってる。で鑑定役、攻撃魔法、回復魔法と支援役もバッチリ。


 でも、私達の方も秘密兵器タラちゃんがいるから。

「ミルキィ?全然秘密じゃないわよ、ソレ」


 …ノリ悪いなぁー。


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 王族選抜パーティでの迷宮探索。

 彼等の出発を見届けたジャック=シルバーは改めて、探索認証水晶を表示させてみる。


 リアンナ王女チームが、ランクAで16階層。

 アライズ王子チームが、ランクAで14階層。


 この階層の微妙な差は、やはりミルキィの存在なのでしょうね。それにクラリス。セレンディアも賢者ですので、多少回復系も使えるでしょうし、戦闘力と回復力の差が現れたのでしょう。


「先生、俺達、悔しいです」


 メンバーに入れなかった特Aクラスの生徒達。


「そうですね。選ばれた者達と比べ、自分に何が足らないか。どうすれば差を埋める?或いは補えるモノを持てるのか?考える事は沢山あります。嘆くだけでは何も解決しません。では、先ずは自己分析と鍛錬計画を出して下さい。その上で色々と考えていきましょう」


 それに、メンバーに入れたから優位という簡単な話でもないのですよ。

 彼等にしても、ミルキィに追いつくには?と言う最大の命題を突きつけられているのですから。


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 迷宮に入ったミルキィ達。

 先ずはクラリスとセレンディア、ソリアに防御力上昇薬シールド・ポーションを飲んでもらう。これで皮鎧レザーアーマー位の防御力は上がるんだよー。


「コレ、魔法使いに必須だと思うわ」


 聖女クラリスと賢者セレンディアは胸当を装備出来るし、錬金術師はバンディッツアーマーまで装備可能。まぁ私は素の防御力自体が違うけどー。

 そういう意味ではローブのみの魔法使いの防御力は殆ど無きに等しい。しかも魔法使いは元々体力筋力に乏しい。確かに、偶に筋肉ムキムキって違和感満載の魔法使いもいるけど…ね、ベンジャミン。



「それでは、皆さん。いきましょう」

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