第14話 ミルキィの決意
いや、別に魔界が地下にある訳じゃないんだけど、便宜上ね。人族世界を地上界って言うの。
女神サンディアや神々の使徒がいる場を天界って言うから、それからきてるんだよね。
これまた別に雲の上、空の彼方って訳じゃないんだけど。
本来、この3界には厳格な境界線がある。
人族は勿論、亜人や魔族でさえ超える事ができない壁だったんだけど、前魔対戦時、魔界との境界線が大魔王ベルドのせいで破壊されてしまった。だから魔界と地上界は行き来出来る。
魔界に行こうとする人族なんて皆無と言えるし、それに行き来には莫大な魔力が必要になる。
だから境界線を越える事は簡単ではない。
「ごめんなさい。もう貴女に生きて会う事はないのよ」
ソーンは、何者かに魔法を奪われて亡くなっていた。
そして、次に狙われてるのは私だと。
私の持つ『
「気をつけて。私の
「
ちょい厄介なのは、決して女神より与えられし職とセットになってない事。
ジオなんて戦士なのに固有
だから職と
あ、話それたね。
「で、いつまで食事してる気?」
シュシュシュ、シュー!
せっかくだから、故郷近くの森で素材集め。その間
「コレはコレとして、
まぁ、あのペレットは市販のモノではなくて私の手作りだ。栄養価は勿論、クモ種好みの味にしてる自信作なんだよー。
「飛んで帰りたかったけど、まぁいいか。今日はこのままキャンプしよ」
私の魔法とタラちゃんの内翅。
併されば多分今日中に帰れたと思う。
黙って出て来たので学院が大騒ぎになってる。
この時の私は、そんなの夢にも思わなかったんだよー。
その夜。
私はタラちゃんと2人…、星空を見上げて。
大魔王がいつ、どんな規模で地上界侵略をしてくるのかわかんないけど、ソーンに、そして私にケンカ売ってきた事は後悔させてやるんだから。
覚悟しろよー!
シュシュ!
「うん、気付いた。こんな気配バレバレの野盗いるなんて。って言うか、コッチがガキの女1人と思ってるんだ」
「ケッケッケッケ。こんな森で嬢ちゃんが1人でな~にやってんだぁ?」
囲まれてる?
童女1人相手に野盗のオッサンは9人。
「実習の素材集め。で、オジサン達は?どう見てもドロボーみたいだけど」
そう言いながら、指先でトントンと地面を叩く。
あらかじめ決めているタラちゃんへの合図。
消えいる様に音もなく、タラちゃんは行動開始。
あっという間に捕縛終了。
「な、な、なんだ?ひぃ、く、く、クモ?コイツは魔物?」
あぁ。オジサン達魔物に詳しくないんだね。
冒険者なら、ランクSのデスタラテクトを知らない筈ないし。コイツに気付いたら、まずチョッカイ出そうなんて絶対に思わない筈。
流石は美食家。
人族を食べようとは思わないみたい。
まぁ従魔契約があるみたいだから、人を傷付けたり殺したりはしないんだけどねー。
「明日にでも詰所に引き渡そう」
私はテントの中で眠る事に。タラちゃんはテントの外で番をしながら休息とるみたい。
おやすみー!タラちゃん。
そんな寄り道もあって。
私達が学院に帰るまで1週間程を要したワケで。
ヤバい足音が迫ってる事、考えもしなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます