第5話 郊外実習①
「次の実習課題なんですけど」
「パァース!錬金術科として、購買部から求められてる物の素材集めするつもりだから、クラリスとは別行動ねー」
クラリスはカール先生に呼ばれた。
で課題の事を言い出した訳だから、これは難題を出題されたって容易に察しがつく。巻き添え喰ってたまるか。
実際、購買部からは
「ね、ミルキィ」
「そもそも討伐課題なら頼る相手を間違ってる。ジオで充分だろうし、特Aクラスなら魔法戦士のウィルバルトだっているじゃん。クラリスの頼みを断る男子っていないでしょー?」
私達は首席トリオだけど、特Aクラスって新入生の入試成績上位16名だ。例えクラスでビリだったとしても学年全体で16位。今期新入生は5クラス100人だから特Aの奴なら誰でも超エリート。しかも11人は男子だ。クラス1の美人クラリスのお誘い!引くて数多だって‼︎
「そのトップクラスの首席に頼みたいの」
ちぇっ。
7歳から素材集めの為に辺境で活動してた私は、既にベテラン冒険者って言っていい。『刈取の大鎌』は錬金術師装備で威力3倍だし、女子とは言え魔人族MIXの私は魔力は勿論筋力だって男子に引けを取らない。同い年なら負けないよ。
その上
素材の知識含め薬学工学にも明るいし、転生前は大魔王の娘だったんだから知らない魔物も存在しない。
えへへ。私って最強!
学院創設以来の天才って評判なんだよー‼︎
…顔は人並みだけど。
スタイルは、乞うご期待。ってか、10歳じゃメリハリなんてない。ちょい凹凸BODYのクラリスが早過ぎなんだよー。
「一応聞くよ?課題何なの?」
「…バリンゲン墓地の浄化」
「それ、神聖科特有の課題じゃん。錬金術科の私、全然関係ない。そもそも新入生に課すお題じゃないじゃん。カール先生、何考えてんの?」
王都最北の墓地バリンゲン。
その…、権力闘争に敗れた貴族なんかも眠ってるらしい。
らしい…って言うのは、人知れず闇に葬られてるから。表向きは無縁死体埋葬の国立墓地。
ならばこそ、怨霊も多く結果王国が必死の神聖結界を作って墓地を封じてるとか。
「結界が破れそうなんだって。神聖科に話がきていて」
「そんなの教師が対応すればいいじゃん。カール先生だって
「
益々新入生に振るのおかしくない?
いや、伝説の聖女に匹敵するって言われてたか、クラリス。
「流石に神聖属性は付与出来ないよ。でも光属性なら何とかなるかな?でも光魔石がいるよ?」
何?その不思議そうなカオ。
「錬金術師の協力って、そういう事でしょ?」
「いや、確かに
「だーかーらー、私も素材集めあるんだって」
「バリンゲン墓地の先、王都出たらビニャの森だろ?素材集め、そこで出来るじゃん」
ジオ?いたの?
そういや、コイツ黙々と食ってたな。
「光魔石、2個はあるぞ。俺の剣に光属性付与出来るか?」
「充分。Level3迄付与出来るからスケルトン、ゾンビにグール、スピリッツも斬れるよ。まーかせて!」
「いや、ミルキィの大鎌にもって思ったんだが」
「は?私が行く事、大前提なの?」
「どう見ても主戦力だろ?何より種族特性も」
ちぇっ。
知ってたか。
魔族由来の血って
私は母が人族だから、純粋魔人族よりもかなり人族寄りだが、それでも魔人族の血の恩恵は確かにある。
「しょーがないなぁー」
カラン、コロコロ。
ちょ!光魔石ってメチャクチャ貴重なんだよ。
カフェテラスのテーブルに放れるなんて。
「だって、そこに番犬いるじゃん」
シュ?シュシュシュー!
成る程。
でも、犬呼ばわりは許せないわ。
「ヤッていいよ、タラちゃん」
シュ!
「は?何でだよー」
あっという間に拘束されるジオ。その糸、簡単には切れないからね。
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