第7話

「樹〜今日はクリスマスイブだよ!欲しいものあったら言ってね?今日はね雪降ってるんだよ!!それじゃまたねー」

私はスマホの録画ボタンを押しスマホをポケットにしまう。今日12月24日。樹はまだ目を覚まさない。

「もー、お寝坊さんなんだから。」

と私は樹の頬突っつく。

「懐かしいなあのときが……」

私は樹の寝顔を見ながらそうつぶやいた。樹の手を握るとほんの少し暖かいが冷たかった。樹の生きてる証拠だ。私は樹の温もりに触れる。この温もりを忘れたくない。












ねぇ樹、元気よく私と一緒に笑ってよ











私は樹が笑ってそばにいないとなにもできないんだよ……

























4ヶ月後












「桜綺麗だなぁ……。」

あの日から樹は目を覚まさないで私は高校2年生になった。クラスメイトは変わらないが変わっていく景色。席替えもして私の隣は樹ではなくなってしまった。

「梨都ーここわかんないから教えてちょんまげ」

「もー!なにそのお願いの仕方ー!相変わらず奏多かなたは生意気だねぇー」

「なんだとー!」

と私の隣の席の月詠 奏多つきよみ かなたは樹と同じサッカー部で短髪でサッカーで外にいるはずなのに真っ白な肌をしていて女子の私からでも羨ましいくらいだった。

「なぁ、今日も行くだろ?」

「うん」

私はあの日からは1人でお見舞いに行っていたが、奏多が私に声をかけてくれて奏多と一緒に行くことが多くなった。

バスに揺られて30分するとそこには桜の花が満開の病院に着いた。私と奏多は樹の病室に向かった。しかしその前に私はお手洗いに行きたくなりトイレに行くとそこには

「雪さん!!」

「久しぶりねぇ、梨都ちゃん。」

白い長袖のシャツのワンピースを着た雪さんがいた。

「相変わらず美人……」

「あはは!ありがとう!」

雪さんは私を見てそう笑ってくれた。雪さんは私を見つめて

「毎日来て偉いわね。」

「私がしたくてしてるんですよ。」

「もうじき目覚めてくれるといいわね。」

「……そうですね……。」

「梨都ちゃん。これだけは言っておくわね。













生まれた時間のズレは愛する対象を変えるの」
















そのときだった。








「おい!梨都!!樹が目覚めたって!!」

と病院から響き渡る奏多の声だった。

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