Welcome To The Black hole Parade!!

君影 奏

本書の翻訳にあたって

 我々は宇宙の一欠けらにすぎない――IS銀河の天体研究者ザィラディウスの言葉を借りたとき、広大な虚無の中で通じ合ったのは奇跡のほかないだろう。

 いまなお拡大し続ける宇宙で、この媒体メディアが貴星である地球テラに渡ったことを、我々上位者に感謝したい。


 このブックはおとめ座銀河連において幅広く読まれ、伝説を越え神話となり、いまや朽ち果てたストゥリィと化した。それでもブックの解明においては、数多くの研究者が心を躍らせ夢想していたことが記録されている。

 仮想伝奇に富む貴公らからすれば、いかに俗っぽくテンプレ化したメモリかもしれない。だが、貴殿が目にするストゥリィは御伽話ファンタジィではなく体験談レジストリィであることを明記しておく。付随して貴星人への理解を促すために地球テラの名称を用いることを許してほしい。

 これ以上の前口上は蛇足のほかならず、始まりのペイジのお目汚しとなるだろうから、筆者の注釈はここまでとする。

 では、貴公らを夢と現実の狭間に誘う案内人ガイドの役を全うしよう。

 プロローグは、そう……主人公の父親の遺言からだ。

 思う存分楽しんでいってくれ。


 Welcome to the black hole parade!!

 ようこそ、ブラックホールパレードへ!


 我々は無限に君たちを歓迎する!!

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